そもそも闇バイトとは
実際の募集内容は
若者のバイト探しはSNSから
なぜ断れないのか?
警察も呼びかけ「保護するので引き返して」
実際に今回の一連の事件で、『闇バイト』の勧誘に使われていたSNSの募集内容がNHKの取材で明らかになりました。『即日払いのバイトがあります』『ホワイトな高額案件あります』などと、具体的な仕事の内容を示さないものもありました。一方で、『深夜に人を運んでください。報酬5万円』『報酬35万円。資金調達。会社の持ち逃げされた金を回収する仕事』『運びの仕事があります。最低5万円から』『引っ越し。即日払い10万円』『高額案件。タクシー業務。書類運搬受け取り。日給5万円から』など、車での運搬や現金回収の仕事を装って募集するものもあったということです。
闇バイトの多くは、SNSで募集されます。就職情報サイトの「マイナビ」が、ことし2月、アルバイトをしている高校生651人に、インターネットで実施したアンケート調査では、46.6%が、サイトや求人情報誌を通さず、『SNSで直接アルバイトを探した経験がある』と答えたということです。また、全体の34.5%が『SNSで見つけたアルバイトで、実際に働いた経験がある』と回答し、若い世代で、SNSによるアルバイト探しが、身近になっている状況がうかがえるとしています。このほか、『SNSで怪しい求人を見かけたことがある』と回答した高校生の割合が41.3%にのぼり、『SNSで怪しい求人の勧誘を受けたことがある』と回答した高校生も10.4%いました。
犯罪グループの指示役が、『闇バイト』たちを、確実に犯罪に向かわせるための手段が、個人情報をたてにした『脅迫』です。『闇バイト』に応募すると、秘匿性の高い通信アプリをインストールするよう指示され、その後、「アルバイトをするための登録のために必要だ」などと個人情報を送るよう、求められるといいます。個人情報を送信すると、バイトの詳細が伝えられますが、犯罪だと気づいてやめようとしても、送ってしまった情報をもとに脅されます。警察庁がまとめた闇バイトの実態を伝えるための「事例集」では、▼「自宅に押しかけて、まず、母親から狙うと脅された」とか、▼「やめたいと言ったら家族全員殺すなどと脅迫された」といった証言が紹介されています。
全国の警察は、犯罪に加担しようとする若者たちへの呼びかけに今、力を入れています。警察庁は全国の警察に対して、闇バイトに応募したことがきっかけで、「危害を加える」と脅されている人たちからの相談に応じ、一時的に避難させたり、関係先のパトロールを強化したりするなど適切な対応をとるよう求めています。また、たとえ個人情報を握られ、脅迫を受けていたとしても、犯罪に加担する前に思いとどまってほしいとして、防犯対策部門の幹部の動画を公開し、「警察は、相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って今すぐ引き返してください」と呼びかけています。
身近な場所にあるともいえる『闇バイト』の入り口。「ルフィ」などと名乗る指示役のもとで行われた強盗事件の一部に「実行役」などとして関わり、実刑判決を受けた20代の被告はNHKの取材にこう答えています。『お金欲しさに、闇バイトがどういうものか想像できずに軽い気持ちで応募しているのではないか。闇バイトは“終わりの始まり”。一度入ると抜け出せない。最後に待っているのは懲役刑だけだ』私たちは、闇バイトの事件を引き続き取材します。ぜひ、こちらまで、皆さんの情報や体験をお寄せ下さい。
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