関東で、住宅や店舗を狙った強盗事件が連日のように発生しています。
相次ぐ強盗事件では、指示役が『織田信長』などと名乗り、指示を出している可能性があります。
■事件直後撮影 15枚の写真 実行役の手口
10月17日、千葉県市川市の住宅に女性が寝ていたところ、3人の男が押し入り、殴る蹴るの暴行を加えて粘着テープで拘束し、その後、女性を車で連れ去りました。
この事件直後に、現場で撮影された15枚の写真です。室内が荒らされている様子が分かります。 この15枚の写真を見ていきます。荒らされた室内の写真です。
こじ開けられた金庫。
預金通帳が室内に散乱。
開けられたままの引き出し。
ベッドの下の引き出しまで開けられています。
出窓も割られていました。こちらは出窓を室内から写した写真です。
かなり荒らされています。
外から写した写真を見ると、窓ガラスはほぼ全面割れています。
現場には多くの遺留品がありました。ハンマーや粘着テープなどが、そのまま残されています。
連れ去られた女性が寝ていた寝室です。寝室の床に血痕、クローゼットが荒らされ、銀行の封筒が散乱していました。
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17日、千葉県市川市の事件では、被害女性を連れ去った男が逮捕されました。
監禁の疑いで逮捕された、藤井柊容疑者(26)です。
連れ去られた女性は、埼玉県川越市内のホテルで保護されましたが、顔を含め全身に打撲のあとがあり、肋骨を折るなどの重傷です。
藤井容疑者は、「報酬10万円で監禁の見張り役をやっただけ」と話していますが、藤井容疑者らは、女性を監禁する前にコンビニに立ち寄り、奪ったクレジットカードで現金を引き出していた可能性があります。 さらに藤井容疑者逮捕の翌日に逮捕されたのが、自称・内装工の高梨謙吾容疑者(21)です。高梨容疑者は事件後に逃走しましたが、神奈川県の都築署に自首しました。
犯行グループは、少なくとも3人の姿が現場付近の防犯カメラに映っていて、警察はもう一人の行方を追っています。 この2人の容疑者が、他の事件にも関与していた可能性があります。藤井容疑者は、市川市の事件現場だけではなく、他の事件現場からも指紋が検出されています。
指紋が検出されたのは、9日に千葉県船橋市で起きた事件です。
こちらの事件では、高齢夫婦の住宅に男2人が押し入り、妻が重傷、現金900万円がなくなったという情報もあります。
そして、16日に起きた横浜市青葉区の強盗殺人事件の現場でも、藤井容疑者の指紋が検出されています。
こちらの事件では、後藤寛治さんが住宅で殺害され、現金20万円などが奪われました。
高梨容疑者は、16日に千葉県白井市で発生した強盗致傷事件にも関与している趣旨の供述をしているということです。
警察は、高梨容疑者の携帯電話の履歴を解析して、指示役の特定を急いでいます。
■指示役「織田信長」は複数アカウント名使用か
一連の緊縛強盗事件ですが、指示役は、複数のアカウント名を使っていた可能性があります。
一つの事件で、複数のアカウントから実行役に指示が出されていたり、同じ名前で複数の事件に関与している例もあります。
市川市の事件で逮捕された藤井容疑者も、この中の指示役とやり取りしていた可能性があります。藤井容疑者のスマホを調べたところ、SNSで『JOJO(ジョジョ)』というアカウントとやり取りをしていたことが判明しました。
この『JOJO』というアカウントですが、先月10日、東京都練馬区で発生した逮捕監禁致傷事件で、『JOJO』というアカウントから実行役に指示が出ていました。
この練馬で発生した逮捕監禁致傷事件は、先月10日に練馬区の路上で40代男性を木刀で殴るなどしてけがをさせた後、車で連れ去り、5時間監禁した事件で、実行役5人が逮捕されています。実行役は、SNSの『闇バイト』を通じて集まり、指示役から「殴ってもいいから男性を連れてこい」と指示を受け犯行に及んだということです。
指示役の逮捕についてです。一連の緊縛強盗事件では、すでに30人以上の実行役や見張り役が逮捕されていますが、指示役は未だ逮捕されていません。
元大阪府警刑事の中島正純さんです。「1つの事件で複数のアカウント名が使われているが、実際は多くても3人で、複数のアカウント名を使っている」 次のページは ■手口から見える 指示役の人物像は
■手口から見える 指示役の人物像は
【集合場所から見える『リスク無視』の姿勢】
16日に起きた千葉県白井市の事件です。
現場付近では、地元のタクシー運転手が、事件直前の夜11時40分ごろ、現場近くのコンビニまで客を乗せました。
「スマホを出して(コンビニの)画像を見せてきて、『ここに行きたい』と言われた」と話しています。 17日に起きた千葉県市川市の事件です。
集合場所について、藤井容疑者は「新小岩に集合することになっていた」と話しています。
事件現場まで直線で約10キロです。
さらに、犯行直前に、市川市内のコンビニに立ち寄っています。
指示役に場所を指定された可能性もあります。
千葉県白井市の事件では、犯行時、資産を知っているような言葉があったということです。
被害は現金約20万円と車です。
犯行時、犯人は被害者に対し、「1000万円あるだろ?」と脅しています。
合同捜査本部は、何らかの方法で被害者の個人情報を知っていたと見ています。
こうした背景には闇名簿がある可能性です。闇名簿は、『闇の名簿屋』と呼ばれる業者が不正に入手した個人情報などから作った名簿です。
学校や会社、病院などの内部の人が持ち出して、『闇の名簿屋』に売る、または企業等で個人情報が流出するなどして、『闇の名簿屋』に渡ってしまい、それが、犯罪グループに売られます。
一連の強盗事件では、被害金額にばらつきがあります。埼玉県所沢市の事件では、被害が現金約8万円など、東京都国分寺市の事件では、現金約550万円などです。
廣末さんです。「金額にばらつきがあり、犯人側の事前の調べが『甘い』。情報や名簿の『質が悪い』のでは」 この闇名簿の『質』です。
『質が良い』闇名簿は、高額で取引されます。
資産の詳細な情報があり、これまで犯罪に使われていない名簿です。
『質が悪い』闇名簿は、安く取引されます。
資産の詳細な情報がなく、すでに犯罪に使われています。
そのため、名簿に載っている人の警戒心が高まっているということです。
「強盗に入った際に、事前の情報よりもお金が少なく、『本当にお金がないか』や、カードの暗証番号などを聞き出すため、指示役が被害者を連れ去らせた可能性」があるといいます。
また、雑な事前情報でも犯行に及ぶのは、なぜなのでしょうか。
「実行役が逮捕されるのは織り込み済みなので、逮捕されるまでに少しでも多く金を得ようとして、詳細な情報がなくても犯行を繰り返させているのでは」ということです。 (「羽鳥慎一モーニングショー」2024年10月21日放送分より) この記事の写真を見る(23枚)鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。