闇バイトが絡む事件です。他人のクレジットカードの情報を使い、フリマサイト「メルカリ」で架空取引を行ったとして指示役とみられる男が逮捕されました。逮捕の決め手は、暗号資産でした。
■26歳の首謀者 勢い増す「トクリュウ」犯罪
住所・職業不詳の小林雄太容疑者(26)。フリマサイト「メルカリ」に出品した架空のブランド品を、他人のクレジットカードで不正に購入し、およそ275万円をだまし取った疑いが持たれています。こうした違法取引をおよそ900回繰り返し、被害額は1億円に上ります。
小林容疑者はSNSに「副業あります」「高額副業」などと投稿して、書き込みに応じた者を、実行犯として使っていた指示役ととみられます。26歳という若い首謀者だったことについて、専門家はこう話します。
元埼玉県警 捜査1課 佐々木成三氏「サイバーの知識にかなり長けている者。26歳の若い人物がトクリュウの指示役になることは十分考えられる」 勢いを増す「トクリュウ」の犯罪。自分たちが何者かを名乗らず、匿名性の高いSNSなどで実行役を集めて犯罪を行う、いわゆる「匿名・流動型集団」のことです。 佐々木氏
「匿名・流動型は、組織の実体解明が難しい。集合離散を繰り返すなかで、警察もやれっぱなしではいけないと」
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■複雑暗号資産「モネロ」追跡 成功は日本初■複雑暗号資産「モネロ」追跡 成功は日本初
逮捕の決め手になったのは、暗号資産「モネロ」の追跡でした。小林容疑者は被害金を秘匿性が高く追跡が困難とされる「モネロ」に交換していました。
警察庁のサイバー特捜部は、これまでに逮捕した実行役らの携帯電話や「モネロ」の口座を解析することに成功し、小林容疑者にたどり着きました。モネロの追跡成功は、日本では初めてのことです。
佐々木氏「デジタルサイバー空間での解析にかなり力を入れていたと思うが、かなり多角的な捜査も展開したんだと思う。現金化する時など、犯罪組織が何かミスをしたとか、糸口を見つけて突破口を開いたということも十分考えられる」
小林容疑者は、取り調べに黙秘しています。
(「グッド!モーニング」2024年10月23日放送分より)
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