次々と実行犯が逮捕されている闇バイトによる緊縛強盗事件で、逮捕者の多くが犯行をためらいながらも「家族に危害を加える」と脅され、犯行に及んだと供述しています。そうしたなか、警察幹部が異例の呼びかけを行いました。
■「勇気をもって抜け出して」警察庁
宝田真月容疑者(22)の供述「税金の滞納が数十万円あり、短期間で稼げるアルバイトを探すことにした」
横浜市青葉区で先週、後藤寛治さん(75)が殺害された強盗殺人事件。新たに逮捕された宝田容疑者は、無表情でうつむきがちに警察車両に乗り込みました。犯行のきっかけについて、こう供述しています。
宝田容疑者の供述「個人情報を指示役に知られ、仕返しや家族にも危害が…と考えると断れなかった」
宝田容疑者が守ろうとしたという家族は20日、厳しい言葉で突き放しました。
宝田容疑者の祖母「こんな大それた事件を起こしたんだから、これから一生、罪を償って、一生過ごしていってもらいたい」 死刑となる可能性もあるほど重い強盗殺人事件。警察はその中心に、指示役にあたる匿名・流動型犯罪グループ、通称「トクリュウ」がいるとみて調べています。 警察庁 生活安全企画課長
「勇気をもって抜け出し、すぐに警察に相談をしてください。警察は相談を受けたあなたや、ご家族を確実に保護します。安心して勇気をもって、今すぐ引き返してください」
警察庁は先週、実行役を減らそうと、異例の呼びかけを行いました。
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■「特殊詐欺の手口を強盗に」専門家■「特殊詐欺の手口を強盗に」専門家
「トクリュウ」の手口について、犯罪ジャーナリストはこう指摘します。 犯罪ジャーナリスト 多田文明氏「特殊詐欺で使われる手口を強盗の方に持ってきている」
電話で高齢者をだます特殊詐欺に対する警戒や摘発が進んだため、「トクリュウ」が手口を強盗に変えた可能性があるというのです。
多田氏「詐欺もやはりしづらくなってきている。特殊詐欺をする場合は、電話をかける『かけ子』が必要。ところが捕まってしまうと、『かけ子』がいなくなるので。(指示役側)本人たちしか残ってないということで、特殊詐欺のノウハウを用いて強盗という手段に」
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■不審な訪問「事件の前兆」 警察も警戒■不審な訪問「事件の前兆」 警察も警戒
また、複数の現場で伝えられる、ある不審な動きにも注目しています。 多田氏「例えば点検業者やリフォーム業者を装って家々を回って、どんどん当たりをつけて、そして(犯罪を)実行する。まさに特殊詐欺のノウハウと同じ。(不審な訪問は)事件の前兆と考えた方がいい」
警察によりますと、横浜市の事件の場合、1カ月前から「不用品の買い取り」や「下水道の確認」と名乗る不審な訪問や電話が17件続いていました。
近隣住民「名刺も出ず何も出さないで、勝手に敷地内に上がり込む」
去年の末、東京都内の住宅では…。
訪問した男性「近くの工事のあいさつに回っています。お願いします」
作業着のような装いの2人ですが、1人は訪問中に吸っていたたばこを家の前に捨てています。住人はこう話します。
訪問された男性「常識がないなと…。なんとなく『玄関先に出させる』という感じがしたので。家族が出てそのまま強盗に…もありうると思うと怖いですね」
同じ都内の西側のエリアでは、強盗事件の後にも…。
訪問した男性「電気料金が安くなります」 訪問された男性
「玄関先で話すことが、前提かのような促し方で『怖いな』と純粋に思いました」
不審な業者の訪問には、警察も警戒しています。
一方、多田氏は、訪問するのはあくまで「闇バイトの人間」だと述べました。
多田氏「役割分担しながら、上の者は捕まらないようにして、『匿名・流動型』と呼ばれる非常に巧妙な手口。何といってもやはり、上の『指示役』を逮捕しなければ」
(「グッド!モーニング」2024年10月21日放送分より)
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