首都圏で今年8月以降、住宅や店舗を狙った強盗が相次いでいる。1都3県の14事件を対象に合同捜査本部が立ち上がり、捜査が続く。札幌市で10月5日にあった強盗致傷事件は、対象事件ではないものの、捜査関係者によると、逮捕された男は「闇バイトに応募した」という趣旨の供述をしており、北海道警が慎重に関連を調べている。
事件は5日午前1時15分ごろ、札幌市豊平区の住宅で起きた。道警は、千歳市の建築作業員鈴木陸容疑者(25)を住人の男性(79)の手足を粘着テープで縛るなどして押さえつけ、3万円を奪った疑いがあるとして、18日に強盗致傷容疑で逮捕し、発表した。
道警によると、鈴木容疑者は住宅に侵入し、一度は3万円を奪ったが、すべて返して逃走。男性は自らテープをほどき、「泥棒が入ってきた」「金を出せと言われた」などと110番通報していた。男性は両手の甲に擦り傷などを負った。
捜査関係者によると、鈴木容疑者は「闇バイトに応募した」「金に困っていた」という趣旨の供述をしているという。住宅内で何者かとスマートフォンで通話し、指示を受けていたとみられるという。
鈴木容疑者はかつて神奈川県で生活していた。家賃を数カ月滞納していたという。その後、次世代半導体製造会社「ラピダス」の進出により建設工事が急ピッチで進む千歳市に移住し、建築作業員として働いていた。
道警は、鈴木容疑者のスマホを押収し、使っていたアプリやSNSの解析を進めている。(新谷千布美)
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