千葉県市川市で発生した強盗事件に関与したとして、警察は新たに男を逮捕しました。指示役は秘匿性の高いアプリを使い、実行役に「JOJO」や「夏目漱石」「織田信長」などの名前を名乗っていました。
■横浜市青葉区の事件現場でも指紋が…
暗がりに浮かぶ複数の不審な人影。物陰から様子をうかがった後、敷地内へと入っていきます。17日に千葉県市川市の住宅に男らが侵入し、女性が連れ去られた事件。その現場周辺の防犯カメラが捉えた映像です。事件に関与したとして出頭していた高梨謙吾容疑者(21)。18日夜、強盗致傷などの疑いで逮捕されました。
犯行時、住人の50代女性に対して「金はどこだ。殺すぞ」と言い放ったという高梨容疑者。女性に重傷を負わせたうえで、軽自動車や携帯電話、クレジットカードなどを奪った疑いが持たれています。
そして、連れ去った女性を埼玉県内のホテルに監禁したとして現行犯逮捕された藤井柊容疑者(26)。
藤井容疑者の供述「報酬10万円で監禁の見張り役をやっただけ」 この藤井容疑者は、他の事件にも関与した疑いが浮上しています。15日、横浜市青葉区で住人の75歳男性が手足を縛られた状態で殺害され、現金およそ20万円が奪われた事件。捜査関係者によると、藤井容疑者の指紋が横浜市青葉区で発生した強盗殺人事件の現場からも検出されていたことが分かりました。 さらに、9日に現金900万円が奪われ、住人の女性が肋骨(ろっこつ)を折るなど重傷を負った千葉県船橋市の事件でも、現場に藤井容疑者の指紋が見つかったことが分かりました。
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■警察は合同捜査本部を設置 300人態勢で捜査■警察は合同捜査本部を設置 300人態勢で捜査
3つの凶悪事件に関与した可能性がある藤井容疑者。出身は愛知県で、知人によりますと、先月まで普段と変わらない様子で携帯電話の営業をしていたといいます。
藤井容疑者の知人「私が母と買い物に行った時に電話の営業をしていた。ティッシュ配りみたいなのをやっていた。『携帯変えていけよ』と言われたので『変えないよ、今のままでいい』で終わった。相変わらずおちゃらけた感じだったが、ちゃんと話を聞けるし、仕事ちゃんとしているんだなと私も頑張ろうと思えるくらいのテンション」
「(Q.金に困った様子は?)何もない」
市川市の強盗事件を巡っては、少なくとも1人が今も逃走を続けています。
警視庁親家和仁刑事部長
「日本警察の総力を上げて事件の背後にいる『悪い奴ら』を早期に切り取り、犯罪グループの実態や事案の全容を解明する必要がある」 連続強盗事件の全容解明に向け、18日に4都県の警察が合同捜査本部を設置しました。8月から17日までの間に関東で起きた14の事件を対象に、およそ300人態勢で指示役などの摘発に向け捜査を行います。 親家刑事部長
「今こそ刑事の力、捜査の力を存分に発揮すべき時」 そうしたなか、いまだ尻尾がつかめない指示役の存在。捜査関係者によりますと、指示役は秘匿性の高いアプリを使い、実行役に対し「JOJO」や「夏目漱石」「織田信長」などの名前を名乗っていました。
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■何度も犯罪に使われた名簿も■何度も犯罪に使われた名簿も
関東各地で起きている強盗事件。指示役はどのようにしてターゲットを決めているのでしょうか?
龍谷大学研究員 廣末登氏「私は“闇名簿”に基づく選別によってターゲットにされたのではと考えております」 犯罪学の専門家によりますと、業者が違法に入手した個人情報をまとめた名簿、いわゆる“闇名簿”が使われた可能性があるといいます。この闇名簿には住所や家族構成年収などのほか、直接、接触したうえでだましやすいかどうか判断した情報まで記載。指示役は闇名簿を入手して、それらの情報をもとに標的を決めているのではというのです。 廣末氏
「繁華街のキャッチのお兄ちゃんとか、夜の飲食店の女性に、お金がありそうな奴の家があったら教えてくれと。町村会議員の名簿や、家政婦協会の名簿とか聞いたことがあります。強盗に入ってお金があれば、そのうちの10%バックするとか、そういう話を持ち掛けたりして情報収集をする」
資産がある人や、一度も犯罪に使われていない人の闇名簿は高額で取引されるのに対し、何度も犯罪に使われた名簿は、本人の警戒心が高くだましにくいため価値が低いといいます。
今回の連続強盗事件を巡っては被害が数万円程度のものもあることから、指示役は価値の低い闇名簿を使っているのではと、専門家は推測します。
廣末氏「彼らが使っている情報が精度の良い情報ではない。おそらく統括役・指示役があまり場数を踏んだ人間ではなく、かなり素人的な人間と考えている。数をこなし『お金があったらラッキー』。今後もこの犯罪は継続される可能性があるので、皆さん十分に気をつけていただきたい」
(「グッド!モーニング」2024年10月19日放送分より)
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