NHKニュース7

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「マイナ保険証」とは、健康保険証の登録をしたマイナンバーカードのことです。

医療機関の顔認証付きカードリーダーなどで、健康保険証としての利用登録をすれば、これまでの健康保険証の代わりになります。

登録は、医療機関以外だと、専用のアプリなどでも行うことができます。

政府は、およそ1か月半後のことし12月2日に、これまでの健康保険証の新規発行を廃止して、「マイナ保険証」を基本とする仕組みへの移行を進めています。

「マイナ保険証」を使うと、本人の同意があれば医療情報が共有され、初めての医療機関でも正しい薬の飲み合わせや的確な受診ができるとされています。

その一方、手続きが煩雑で、別人の個人情報がひも付けられるミスが過去に相次いだこともあり、情報の取り扱いなどを懸念する声もあがっています。

マイナンバーカードがない人、マイナ保険証を未登録の人は?

ことし12月2日以降、マイナンバーカードを作っていない人や、マイナ保険証の登録をしていない人には、保険者から「資格確認書」が送付されます。

「資格確認書」を受ける場合の申請は必要なく、医療機関の窓口で提示すればこれまでの保険証と同様に、保険診療を受けられます。

また、猶予期間として最長で1年間はこれまでの健康保険証を使い続けることができます。

利用進まないマイナ保険証 国は普及活動に力

厚生労働省によりますと、ことし8月時点で、マイナ保険証の利用率は12.43%となっています。

マイナンバーカードの保有者は全人口の74.8%となっていて、このうち8割ほどがマイナ保険証の登録を済ませていますが、実際は健康保険証の方を活用しているケースが多数となっています。

こうした中、国は各地で普及活動に力をいれています。

東京 江東区のイベント会場。

生理や妊娠など女性特有の悩みをテーマにした展示会で、多くの企業にまじって、出展していたのは厚生労働省です。

その担当者が呼びかけていたのは、マイナンバーカードと保険証が一体化した「マイナ保険証」の利用促進。

こうしたイベントに、国が出展するのは珍しいといいますが、その背景には進まないマイナ保険証の利用があります。

厚生労働省は、病院を使う機会が多い女性にターゲットを絞って、今回のイベントへの参加を決めたということで、担当者が、来場する女性たちに、チラシを配ってPRしていました。

厚生労働省保険局 高内真吾主査
「マイナ保険証やマイナンバーカードへの不安が利用率伸び悩みの背景にあると思います。限定したターゲットに対する取り組みはこれまでには無いことです。こうした周知広報で何とか解決を図りたい」

専門家「紙との併用期間を長く設けることが必要」

個人情報保護などに詳しい中央大学の宮下紘教授

中央大学 宮下紘教授
「医療のデジタル化は、高齢化が進むなかで、効率的に正確な医療を届けるという点で推進していく必要がある。医療情報は機微性が高いことに加え、保険証のひもづけミスもあり、不安感が国民のなかにある。また、マイナ保険証をどう使っていいのかなど、向き合うきっかけが国民のなかでまだ浸透していないと思われる。デジタル化には時間がかかるものなので、紙との併用期間を長く設けることで、徐々にデジタル化への信頼を獲得していくことが求められている」

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【リンク】時論公論 信頼取り戻せるか マイナ保険証

マイナ保険証の課題などについてはこちらの記事でも詳しくお伝えしています。

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