広島県警が制作した詐欺対策を呼び掛ける動画が今、SNSを中心に話題となっている。一度見ると忘れられないほどのインパクトがあるこの動画が生まれた背景とは…。
■投稿から1週間で1000万回以上再生
街の人(70代)「よく作ったね」 街の人(20代)
「キャッチーで分かりやすいかなと思いました」 街の人たちに「分かりやすい」と好評なのが今月7日、広島県警が公式Xに投稿したSNS型ロマンス詐欺と投資詐欺を防止するための動画だ。
制作したのは広島県安佐南警察署。投稿から1週間で1000万回以上再生されている。
動画を作った背景には、SNS型の投資詐欺などが増えている現状があった。
安佐南警察署 生活安全課岡村正孝課長
「最近、SNS型の投資詐欺・ロマンス詐欺が非常に県内で猛威をふるっていまして、広く県民の皆様にわかりやすい形で広報できたらなと」 子どもたちの声の方が耳に入りやすいと考え、地元の保育園に通う子どもたちに協力を依頼した。 梅林よつば保育園の子どもたち
「(Q.お歌どうでしたか?)楽しかった〜」
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■光と背景を合成…ピンボケを誤魔化すため?■光と背景を合成…ピンボケを誤魔化すため?
そして動画は、様々な光と背景を合成したものとなっているが、これにはある理由があった。 動画を制作 安佐南警察署鑑原和葉巡査部長
「警察署の4カ所で撮影したのですが、そのうち1つピントが合っていなかった。でも撮りきってしまった後に気付いてしまい、撮り直すことができなかったので…」
ピンボケを誤魔化すため試行錯誤した結果、子どもたちの歌声に合わせて警察官が様々な光と合成の中で踊るという動画となった。
ただ、この動画が「シュールだ」と話題となり、大バズりしたのだ。 岡村課長「本当にびっくりしているんですけども、この調子でどんどん拡散していただければ、詐欺の被害も少しでも少なくなると思います」
実際に、この動画を見た街の人たちは、次のように話す。
街の人「話題性があれば世間が目も向けられるので、内容はどうであれ、いいのかなと思います」 街の人(70代)
「私も昨夜、詐欺メールがフィッシング詐欺メールがきて、あっと思って子どもに連絡して。だから怖いと思うけど。これが広まればいいと思います」 街の人(20代)
「もっとダンスにキレあったほうがいいと思いましたけど、こういう動画見て、こういう詐欺もあるんだなって認知はされると思います」
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■SNS型投資・ロマンス詐欺が急増■SNS型投資・ロマンス詐欺が急増
警察がこうした動画を公開する背景には、詐欺を巡る差し迫った状況があるようだ。
警察庁のまとめによると、SNSを使った投資詐欺とロマンス詐欺の被害件数は去年から今年にかけて急増している。被害額も増えていて、今年8月まででおよそ877億円となっていて去年1年間での被害額およそ455億円をすでに大きく上回っている状況。
また、ロマンス詐欺の被害者の年齢層を見てみると、40代と50代が男性では48.9%、女性では56.9%とおよそ半数を占めていて、特殊詐欺などに比べて中高年世代が狙われていることが浮かび上がってきている。
■マイナカードのICチップで本人確認も
そして、被害者が詐欺に遭うきっかけとして、最も多かったのが「マッチングアプリ」だったということだ。 こうした背景から、9月にはデジタル庁と警察庁が連名でマッチングアプリ事業者に対し、マイナンバーカードのICチップを使った利用者の本人確認を実施するよう要請文書を提出している。これにより、氏名・年齢・顔写真に加えてマイナポータル経由で既婚・未婚や年収などの情報も信頼性高く確認ができるため、より安心して婚活が可能になるという。
実際に大手マッチングアプリ「ペアーズ」では、マイナンバーカードのICチップを利用した本人確認を今年8月から開始している。氏名・年齢・顔写真を公的データとして本人確認に使用するが、個人番号は一切使用せず入力したパスワードは保存しないとしている。
これにより、複数のアカウント取得を防止する精度が高まり、詐欺などの犯罪対策につながるとしている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年10月15日放送分より)
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