1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の弁護団は10日、検察に対し、捜査や公判手続きの検証を求める声明を発表した。畝本直美検事総長が控訴断念を表明した際に出した談話に関し「巌さんに対する非人道的な取り調べや5点の衣類の捏造について反省がなく、謝罪になっていない」と批判した。  談話で「判決は、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容」などと言及したことに触れ、「無罪判決を受けた巌さんを犯人視することであり、名誉毀損にもなりかねないゆゆしき問題だ」とした。声明は静岡地検に提出したという。  静岡市内で記者会見した主任弁護人の小川秀世氏は「袴田さんに謝罪し、判決で捏造と指摘されたことを受け止め、二度と冤罪被害が起きないよう検証すべきだ」と語った。オンラインで会見に参加した姉ひで子さん(91)は「無罪が確定したことが、今はとにかくうれしい」と語った。


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