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 秋の味覚、ナシに異変が生じています。農園を取材すると、高温障害とカメムシなど害虫のダブルパンチで、5トン近くのナシを廃棄する事態が起きていました。

■「ゼリーみたいに柔らかい」味にも差が

 畑の一角に積み上げられた大量のナシ。旬を迎え、秋の味覚を代表する果物ですが…。 ナシ農家 猪飼幸宏さん
「高温の所に長くおくと、中が腐ってしまうという症状。後はカメムシに吸われてしまった被害果などが廃棄してあります。近年、この高温の状態になってから虫の発生が昔に比べれば断然多いですね」  これらのナシは、猛暑による高温障害や虫の被害を受けたもの。深さ1メートル、複数の穴に廃棄したナシは、合わせて5トンほどにも上るといいます。被害額はおよそ200万円。ナシを作り続けて25年、過去最悪レベルの被害です。

 高温障害で出荷できないナシを切ってもらうと…。

猪飼さん
「こんな感じで色が透明になってしまう。触ってみると柔らかいと思います。ゼリーみたいに柔らかいんです」  見た目だけでなく、味にも差があるそうです。

 出来が良く出荷できるナシは、水分たっぷりでシャキシャキして甘く、一方、高温障害のナシは、通常のものと比べるとシャキシャキ感がなく柔らかい食感です。

 周辺では、多くの農家が高温障害が発生する品種の栽培をやめる方針だといいます。 猪飼さん
「この先こんなに暑いのが続いたら、正直ナシ作っていけないのでは。7月の終わりから採れる品種に変えてみたりとか」
「(Q.ナシと聞くと、秋の味覚をイメージするが?)今はもう夏の味覚ですね」

 それでも、出荷できなかったナシを工夫して商品にする取り組みも進めています。

猪飼さん
「今作っているのが、梨ジャム、梨バター、梨ワインジャム、ジェラート、シャーベット。(傷んで)1カ所だけダメだった場合は、他の7割8割は使えるので、そこを使って何か加工品っていう形でやっていけたらいいなと思って」

(「グッド!モーニング」2024年10月6日放送分より)

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