北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん(失踪当時13)が5日に60歳の誕生日を迎えるのを前に、母の早紀江さん(88)が3日、川崎市内で報道陣の取材に応じた。「むなしい思いを47年間持ち続けてきた。悲しくて力が抜けてしまう」と語った。
めぐみさんは新潟市立中の1年生だった1977年11月15日、バドミントン部の練習を終えて下校する途中に消息を絶った。帰国が実現しないまま還暦を迎えることになり、早紀江さんは「信じられない。同級生たちを見て元気な姿を想像している」と話す。
拉致被害者の親世代は高齢化が進む。めぐみさんの父、滋さんは2020年に87歳で亡くなった。早紀江さんは「首相が変わるたびに『必ず頑張ります』と言われる。解決に向かうことを果たしてほしい」と訴えた。
早紀江さんはこの日、めぐみさんが小学校の行事で山口県を訪れた際、土産として持ち帰った小さな陶器のつぼを持参。「心遣いがうれしかった」と当時を思い返した。生後まもないめぐみさんを腕に抱いた日を振り返って「全てが懐かしい」と語った。
帰国したらどんな言葉をかけたいかと問われると「だまって抱きしめてあげたい。帰ってきさえすればいい」と答えた。
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