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 能登半島地震の被災地を襲った記録的な大雨では、建物に入り込んだ泥が固まり始め、立ち直りつつあったカキの養殖業にも大きな影響を与えています。

■不明女子中学生の制服発見 固まる泥「スコップ入らず」

 安否不明となっている石川県輪島市の中学3年生・喜三翼音さん(14)の捜索活動。先月30日も、自衛隊や警察など300人態勢で行われました。

 これまでに靴や制服は発見されていますが、いまだ翼音さんの発見には至っていません。

 安否不明者の捜索や町の復旧の足かせとなっているのが、想像以上に堆積した土砂です。 作業員
「(Q.(撤去)作業はどれぐらいの時間?)ここだけであれば、1週間かからないで撤去ができるが、この道沿いも(土砂の)量も多いですし、全部やるとなると半年はかかる」  被災した人たちは、建物の外だけではなく、中にまで入り込んだ土砂の運び出しにも悩まされています。 もとやスーパー 本谷一知社長(46)
「泥は僕も初めての経験なんですけど、時間が勝負なんですよね。なぜかというと、固まるとスコップが入らないから」  豪雨から1週間以上が経ったことで、水を含んでいた泥も硬い状態に…。輪島市のスーパーでは、店内に入り込んだ泥のかき出しに追われていました。

 スーパーの社長は、町の人たちの憩いの場となれるよう、店内をきれいにしたうえでの営業再開を目指しています。

本谷社長
「地震から9カ月、確かに落ち込みました。人間は落ち込むのも疲れるんですよね。落ち込むところまで落ち込んだから、さらに洪水が来て0スタート。言葉や表情を変えていくしかないと。街の中心である、もとやスーパーから発信したい」

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■土砂でカキ養殖場は泥まみれ 「試練ひどい」社長絶句

■土砂でカキ養殖場は泥まみれ 「試練ひどい」社長絶句

 流れ込んだ泥は、カキの養殖・加工を営む事業者にも影響を及ぼしていました。 下村水産 下村絢美社長
「(Q.稚貝の作業はいつの時期にやるもの?)ちょうど今の時期やっている。本来ならきょうもやろうとしていたが、まずこの泥をどけて、きれいにした後にということで、今止まっている状態です」  七尾市にある下村水産。目の前を流れる熊木川の水があふれた影響で、川沿いにある作業場は泥まみれとなり使えなくなってしまいました。 下村社長
「もう本当に、こんなに試練を与えるかというか、ひどいなというか、それだけですね」  元日に発生した能登半島地震により甚大な被害を受けた七尾市。下村水産も地震による断水の影響で、むき身などの作業が停止状態に…。カキ棚を浮かせるブイも流されたため、修復作業に追われました。 下村社長
「種カキをつるしている棚が一部倒れています」  大粒の雪が降る中での重労働でした。 下村社長
「今やらなければいけない時期なので。寒さ厳しいけど、やっていくしかない」  再起に向けて一歩一歩進み、春には直売所の営業を再開。今の時期は、能登かきの旬である1月〜2月に向けて、カキを育てている真っ最中でした。  そんな中で見舞われた豪雨災害。被害の全容はまだ見えていません。 下村社長
「心配なのは、この大雨で真水が河口に流れることで、カキの稚貝が真水に弱いので、死んでしまったりとか。それで生育状態が悪くなったりとか、被害がないか影響がないかというのはこれから分かってくることなので、そこは心配ではあります」  地震と豪雨。立て続けに被害に遭いながらも、下村さんは前を向きます。 下村社長
「諦めるという選択肢にはならないと思う。本当にやるしかないというか、後ろ向きな気持ちになってもしょうがない。本当に今、目の前の仕事、生活をやるしかないと頑張っている」
「(Q.まあ、頑張っていくしか…)頑張るしかない」

(「グッド!モーニング」2024年10月1日放送分より)

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