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 歯の治療などで多く使われる麻酔薬が全国的に不足しています。医療現場から心配する声が上がっています。

■メーカー「供給を制限」 製造所の移転が原因

 都内にある大学病院の歯科では、「麻酔薬」不足に危機感を募らせています。

昭和大学 歯科麻酔科
西村晶子准教授
「全く同じ効能のものはありませんので」
「局所麻酔薬・痛み止めに関しては(今まで)そこまでの在庫の逼迫(ひっぱく)はなかった」  問題となっているのは「アナペイン」という局所麻酔薬です。 西村准教授
「深いところに生えている親知らずの抜歯や、あとはあご全体を手術する時に使われる」

 長時間効く局所麻酔として、歯科だけでなく整形外科などでも広く使われています。

 アナペインの供給不足の影響で、同じ局所麻酔薬の「ポプスカイン」なども品薄状態になり、出荷調整をする事態になっています。

 街の人からは不安の声が聞かれました。

街の人(70代)
「(麻酔)やらないと神経に当たったら飛び上がるからね」
「(Q.麻酔が使えないとなると)ゾッとするね」 街の人(80代)
「てんびんにかけるよね、しょうがないもん。痛いの我慢して治すか。どのくらいの痛さが来るか分からない」  アナペインを製造するサンド株式会社は、5月末から供給を制限すると医療従事者に通知。理由については、番組の取材に対し、“製造所の移転”が原因だと説明しています。 サンド株式会社のコメント ※番組の取材に対し
「海外の旧製造所との契約終了により、国内の新規製造所からアナペインを提供する準備を進めていましたところ、2024年4月に技術移転においてもう少し時間がかかることが判明いたしました」

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■産科クリニックも困惑「回復する目安を知りたい」

■産科クリニックも困惑「回復する目安を知りたい」

 茨城県にある産科クリニックも頭を抱えていました。

池羽レディースクリニック 若佐谷敦副院長
「参ったなという感じで本当に。術後とか無痛分娩(ぶんべん)とか、すべてに影響が出ているので『どうにかしてくれよ』という感じ」

 開業25年。16床のベッドを有する結城市唯一の産科クリニックです。陣痛の痛みを和らげる「無痛分娩」の際に、アナペインを1回あたり120ミリリットルほど使っています。

若佐谷副院長
「月平均で大体10〜15(件)くらい。年々増えている印象」  必要な分はなんとか確保できていますが、毎月どれだけ入手できるかは分からない状況だといいます。

 無痛分娩を予定している女性の出産日にも迷いが…。

若佐谷副院長
「ここだと39週の0、1、2、3、4(日目)。9の4。ここだと38週の1(日目)かな。どっちで予定しておきますか?」 女性
「早い方が麻酔薬の関係とかも?」 若佐谷副院長
「薬は多分あまり差はないが、こことここは多分大丈夫かなと思う」 女性
「そしたら22日で」

 予定日までは在庫があり、影響がないことを伝えました。

無痛分娩を予定する妊婦
「今までと違う方針でやるという話も聞いたので、それは大丈夫なのかなと心配もちょっと感じました。さっきの説明だとギリギリ間に合うと聞いたので、無事に健康な状態で生まれてきてほしいというのが一番」 若佐谷副院長
「ある程度のどれくらいで回復するのか目安を教えてもらえると、僕らもじゃあこうしようかとか、計画ができるので。その辺りをある程度はっきりしていただけたらなと思います」  サンド株式会社は「一日も早く通常出荷を再開できるよう現在鋭意取り組んでおります」とコメントしています。

(「グッド!モーニング」2024年9月27日放送分より)

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