広島県の住宅街で、道路が40メートルにわたって陥没しました。建物が傾くなど、市民の生活にも大きな影響が出ています。この原因は、地下30メートルで行われていた下水道工事の振動とみられています。
■被害は建物にも…8棟傾く
交差点の中心にぽっかりとあいた大きな穴。周辺には水があふれ、道路が波打っています。盛り上がった地面は大きく割れ、巻き込まれた自転車も…。 26日午前9時半ごろ、住民から「道路が陥没して水浸しになっている」と消防に通報が相次ぎました。陥没は、南北40メートル、東西15メートルもの広範囲に及びました。
近隣住民「ドア開けたら陥没しだした。みんな騒ぎだした。『出ろ』と」 現場は広島駅から4キロほどの閑静な住宅街。元の状態と比較すると、めくれあがったアスファルトが、交差点をふさいでいるのが分かります。 数メートル離れた道路にも、複数のひびが入っています。 撮影者
「実際に立っているところのすぐ前の道路も亀裂が入っていたので。毎日、通勤で使うルートでもあるので、ちょっと怖い」 被害は道路だけではありません。建物の壁には大きな亀裂が入り、交差点に向かって沈み込んでいます。他にも周辺の建物8棟が傾くなどしていて、広島市は55世帯90人に避難を呼びかけました。
次のページは
■なぜ陥没は起きた?「水道管が破裂し…」■なぜ陥没は起きた?「水道管が破裂し…」
当時、陥没した道路の地下30メートルの場所では、雨水が通る管を作る工事が行われていました。
広島市の会見「シールドマシンと呼ばれる掘削機で土砂を掘削し、下水管を組み立てる工事です」
原因について、専門家は…。
芝浦工業大学 稲積真哉教授「(工事で)30メートル下で発生した振動が、地表面に向かって上がってくる。(水道管の)周りの土がその振動で揺すられて隙間ができてしまう。周りの支えていた土がなくなると、水道管がたわんで結果折れてしまう」
では、なぜ陥没は起きたのでしょうか。
稲積教授「水道管が破裂したことで噴水のようにすごい勢いで水が出てくる。アスファルト舗装を持ち上げてしまった。そして一部の箇所で隆起が起これば、別の場所では陥没という形であらわれる」
今回のような大規模な陥没は、どこでも起こりうる可能性があるといいます。
稲積教授「工事による振動が原因で起こった陥没というのは、博多の事例や調布の事例ですね。工事をする方々が穴を掘っている上の地盤はやわらかいことをしっかりと把握をして、それに応じた掘り方をする」 広島市は、補償については「現時点で明確に答えられない」と説明しています。
(「グッド!モーニング」2024年9月27日放送分より)
この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。