記者会見する兵庫県の斎藤元彦知事(26日、県庁)

自身のパワハラ疑惑などで県議会から不信任決議を突きつけられた兵庫県の斎藤元彦知事が26日、30日の失職後に出直し知事選に出馬すると表明した。「斎藤県政」の継続を争点に県民の信を問う考えだ。

「3年間やるなかで、おごりや慢心があった」。26日、斎藤氏は県庁で開いた記者会見で、問題視された職員に対する態度や言動について釈明した。「本当に申し訳ない」と繰り返し謝罪する一方で「県政改革を止めるわけにはいかない」と訴えた。

19日に全会一致で不信任決議を受けて1週間。25日午前に県庁ロビーで高校生から「辞めないでほしい」と書かれた手紙を受け取り、出直し選出馬を最終的に決断したと明かした。

県議会から全会一致で不信任を突きつけられ、取りうる選択肢は辞職・失職か、議会を解散するかのいずれかだった。辞職し知事選に再出馬して当選した場合の任期は辞職前と同じ来年7月までだが、不信任決議から10日を経て自動失職した場合は4年間となる。

辞職や議会の解散については当初から念頭になかったといい、不信任決議は「私の対応を問題視したもので、私が信を問うことが大事だ」と強調。11月に想定される出直し選に出馬する理由を説明した。

記者会見を終え退出する兵庫県の斎藤元彦知事(26日、県庁)

選挙戦にあたり「3年間の実績をみていただきたい」としたが、これまでの自己評価の採点を問われると「こうした状況はプラスではなくマイナス。点数をつけることは難しい」と繰り返した。

2023年11月のプロ野球の優勝パレードの寄付集めを巡る経緯など、解明すべき疑惑は山積している。疑惑解明のために設置された県議会調査特別委員会(百条委員会)は調査を継続する。

今後も証人尋問などが実施される予定で、斎藤氏は失職後も百条委や県の第三者委員会の調査に協力する考えを示した。

不信任が決議されて以降、斎藤氏は民放やNHKの番組に相次ぎ出演し、県庁舎再整備計画の見直しや県立大学の授業料無償化などの実績を訴えてきた。出直し選出馬を見据えた意図があったのではと問われた同氏は「全くない」と否定した。

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