岩手県盛岡市の居酒屋で撮影された映像です。閉店後にやってきた男性がビールを要求したため店主が断ると、その男性が激怒して暴れ出したということです。こうした客から従業員へのカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが後を絶ちません。
■泥酔の高齢男性、椅子を次々と投げ落とし…
男性「ビールくれ」 店主
「いやいやいや」
19日午前4時ごろ、岩手県盛岡市の居酒屋に現れた高齢の男性。
男性「ビールだ」 店主
「ビールは出せないですって。もう店終わりましたもん」
この時、店はすでに閉店していて、椅子がカウンターの上に並べられるなど片付けが行われていました。しかし、お構いなしに男性は、ポケットに手を突っ込みながら、ビールを要求したのです。
店主「でも店終わってからは…」 男性
「うるせぇ!そんな能書きいらねぇんだ」 店主
「いやいやいや」
声を荒らげる高齢男性。
店主「コップ1杯の水を出してあげて」 男性
「それで済ますのか?」 店主
「え?」 男性
「おとりつぶしだ」
別のスタッフが水を提供したにもかかわらず、納得がいかない男性。かなり酔っ払っているようです。
店主「だって…」 男性
「もういい!!」 「ビールが提供できない」ことを伝え、帰ったかと思われたその直後、男性がカウンターの上に上げられていた椅子を次から次へと投げ落とします。 店主
「椅子を直していってくださいよ」 男性
「直す?」 店主
「なんでですか?お客さん投げたじゃないですか」 男性
「分からねえなあ」 店主
「いや、分からなくないですよ」 男性
「分からねぇなあ!」
倒した椅子を元に戻すよう訴える店主の言葉に、聞く耳を持たない男性。
店主「分からないじゃ、すまないですって」 男性
「あ、本当?そしたら訴えろ」
別の従業員が片づけるよう促しても「分からない」と繰り返す男性。見かねた店主は声を掛け、呼び止めます。
店主「名前と連絡先を教えてもらってもいいですか?だって(椅子を)投げたじゃないですか」 出口で止まり、店主の話を聞くかと思われた次の瞬間、何度も店主を殴りつける男性。バッグを両手で持ち振りかぶるように、店主めがけて叩き付けます。 その後も殴ることをやめず、棚にある酒瓶が倒れそうになる瞬間も。 店主
「やることやってしまったんだから」 男性
「うるせぇよ!」
何度も叩き付けたためか、男性が使っていたかばんは持ち手が切れてしまいました。その後通報を受け、駆けつけた警察官によって男性は連れて行かれました。
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■店主「10名ほどの警察官が…」■店主「10名ほどの警察官が…」
25日、番組の取材に応じた店主がトラブルについて語りました。
炭火焼 鳥八 分店渡邊大地店主
「はじめて見たお客様ですね。ビールはもう出せないのでお水だったら出しますよと。後はなるべくこう気を立てないように思ったんですけど…」
みるみるうちに態度が豹変(ひょうへん)していったという高齢男性。
渡邊店主「10分ぐらいの出来事なんですけど、その間に12〜13発は殴り続けるという。ハンドバッグを持っていたんですけど、(そのバッグが)結構重くてですね。それで何回も顔面を狙って殴打してくる感じ」
警察官が来てからも、男性は悪態をつくのをやめなかったといいます。
渡邊店主「10名ほどの警察官で取り押さえるじゃないですけど、それじゃないと収まりがきかないような感じで。もう『こんな店、潰してやるぞ!』とか…」
店主は当時の状況を次のように振り返ります。
渡邊店主「すぐ警察呼べば良かったなと確かに思うんですけど、私たちの範囲で抑えられるならと思っていて。その考えが甘かったのかもしれないんですけど」
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■開き直り「覚えてないからしょうがない」■開き直り「覚えてないからしょうがない」
盛岡市内の繁華街で取材を進めると、他の店舗でも同様の被害があったといいます。今回、トラブルを起こした男性と同一とみられます。
男性が来たとみられる店の店員「(Q.こういう方がいらっしゃって?)まさにこの方です。この顔です」
「ハット被って、ジャケット羽織って、席座る前に『おー!』っていう感じで。とにかく何か目に入るたびに声かけるんです、従業員に。『おう!』『おい!』『来い!』みたいな」
こちらの店でも、店員が怒鳴りつけられるなどのカスハラを受けていたといいます。
男性が来たとみられる店の店員「今時あんなノリでね、どこも受け入れてもらえないんじゃないかな」
このトラブルから5日後の24日、事態が動きました。
渡邊店主「警察の方には、ちょっと本人と会って話したいということで一応お伝えして…」 トラブルを起こした男性と店主が、警察官立ち合いの元、話し合う場が設けられました。 渡邊店主
「行った時にはすでに本人が座っている状態で。警察から謝ってくださいと言われて、その時初めて『すみませんでした』というふうに…」
始まった話し合いですが、店主は男性の態度にあぜんとしたといいます。
店主「何をしたか分かっていますか?」 男性
「分かってない」 店主
「動画とか見てますか?」 男性
「見てない」
酒に酔っていて、この時のことは「全く覚えていない」と話したという男性。その場で映像を見せると、徐々にイライラした様子になっていったといいます。
男性「もういい。分かったから」
最終的には開き直った態度になったといいます。
男性「どうすりゃええんだ?覚えてないからしょうがないだろ?」 渡邊店主
「どうしたら許すんだとか?どうしたら納得するんだとか、そういう感じです。全然これ反省とかじゃないなぁ、みたいな」
男性の様子に店主は再び怒りが込み上げてきたといいますが、その後の労力などを考えて被害届は出さなかったといいます。
渡邊店主「どうしてもこう、もやもや感というのはあるんですけれども、SNSに上げていく中で飲食店で従事されてる方々に伝わればいいなと」
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■半数以上の飲食店、カスハラ被害に■半数以上の飲食店、カスハラ被害に
カスハラの被害は街でも聞かれました。
20代男性「(ジョッキを持ち上げるジェスチャー)こんな感じで言われて。おかわりで(と言われて)。ちゃんと聞きに行って。なんでしたっけ?って言うと『いや分かるだろ!』みたいな。酔っぱらってるので相手に言われて。え、分かんないよって感じでした」 20代男性
「セルフレジの使い方が分からないみたいで『なんでこんなの導入するんだ!』みたいな。その八つ当たりが店員に来るみたいなのはありましたね」 50代男性
「ファミリーで来られてお子様のメニューを先に出さなくちゃいけなかったんだけど、親御さんのメニューを先に出してしまった。お酒が入ってたお父さんが『何で子どものメニューを先に出さねぇんだよ!』『もう二度とこんな店来ない』って」 なかでも多かったのは飲食店でのカスハラ被害。先月行われた飲食店へのカスハラ調査のデータによると、半数以上の飲食店が「カスハラを受けたことがある」と回答しました。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年9月26日放送分より)
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