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 被災地を襲った記録的な大雨で、石川県珠洲市で唯一の銭湯も被害に遭いました。豪雨から2日でなんとか営業を再開した銭湯は、断水が続く住民の生きる糧となっています。

■「まだ僕はマシなほうだと思う」

 週末の2日間で2カ月以上の雨が降った石川県珠洲市。県によりますと、24日午後4時時点で、1750戸で断水しています。  番組取材班が向かったのはこの地域で唯一、営業を続ける銭湯「海浜あみだ湯」。珠洲市民の憩いの場となっています。
 
 銭湯の運営責任者である新谷健太さん (32)は金沢の大学に進学後、珠洲市が気に入り移住しました。銭湯の経営者が高齢のため、事業を継ぐ話があり、移住仲間たちと準備を進めていたところ、元日に被災しました。 新谷さん(1月)
「1月5日でしょうか。電気が復旧したタイミングで、あみだ湯に戻ってきて、設備を確認したら、幸い大きな損傷がなく、一部壊れている部分もあるが、これを直して、珠洲の方々に憩いの場や安らぎの瞬間をお届けすることが、自分たちも命の危機を感じながらだが、目の前でやれることだった」  珠洲市全域で断水が続くなか、井戸水を使い、地震からおよそ3週間で移住仲間や地元の人たちの協力もあり、再開することができました。 新谷さん
「そもそも1月1日の地震で自宅が住める状況ではない。(あみだ湯で)生活しながらお風呂(の営業)をやっている。1月1日から大変ではあるが、まさかこんなに豪雨に見舞われるとは思わなかった。やっと仮設に入った人とか、やっと家の断水が解消された方々がこの豪雨でまた避難所に戻っている。まだ僕はマシなほうだと思う」

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■銭湯に集う地元住民 水が出ない家も

■銭湯に集う地元住民 水が出ない家も

 前に進み始めた珠洲市を再び襲った自然災害。あみだ湯のボイラー室にも水が迫ります。 新谷さん
「ここは井戸の設備。豪雨で冠水してしまって、ポンプが水浸しになった結果、通電しなくなった」
「(Q.中を見ると、まだ水がたまっていますね)ほんとは水がはけてもらわないとダメ」  今回の大雨で地下水を吸い上げるためのポンプが故障し、営業が一時危ぶまれましたが…。 新谷さん
「強引に上水道を1本しか通っていなかったものをなんとか繋いで、タンクに流しこんだ。水量が足りないので、なんとか上水でシャワーだけでも入浴環境を提供できればときのうから動き出した」

 営業が始まると次々とやってくる地元の人たち。その多くが家の水が出ない状態だといいます。


「ハーイハイ。バッチリ。いい風呂やわ。あんたも入れば?」 20年通う常連 徳保廣さん(76)
「ほとんど毎日ぐらい。(来ないのは)休みの日だけ。そりゃ気持ちいいに決まっている」
「(Q.あみだ湯はどんな存在?)1つの糧だね」  この銭湯に20年通う徳保さんの自宅は、ひざ下まで水に浸かりました。 徳保さん
「(Q.水はどこまで?)ここまで来ているよ。ここまで浸かっちゃった」
「(Q.これ下も全部?)ここも全部濡れて、きれいにした」 新谷さん
「みなさん大変そうな方々ばかりですし、4日ぶりに入ったという方もいて、力になれたのかなと思う。お風呂しか楽しみがないという方もいらっしゃるので、やり続けてきてよかったという思いは強い」

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■一時孤立した集落へ 移住仲間たちの支援

■一時孤立した集落へ 移住仲間たちの支援

 新谷さんと談笑する若者たちは、苦楽を共にしてきた移住仲間です。この日は、一時孤立していた集落へボランティアに向かいます。 依頼者
「ちょうどこの上。土砂が一番上から流れてきた。どうしようもできないんだよ。あした筋肉痛になるやろうけど、ごめんね」
「きのうから雨止んだからね。水浸しだったけど」  依頼の内容は、山から流れてきた土砂の撤去。側溝にも土砂が溜まって、流すこともできないため、数日かけて土砂をどかしていくということです。 新谷さん
「困っている人がいれば助けたいなと思う。自分もそうですけど、心ひかれて移住した珠洲がこんな状況になってしまったなかで、自分ができることを目の前でやれることを一つずつやるしかない思いでここまで来た」  あみだ湯では24日、大雨で故障したポンプを交換する応急処置ができたため、今週中にも湯船にお湯を張ることができる予定です。 新谷さん
「ゆったりつかって、『またあしたから頑張れる』とおっしゃっていただけたら喜ばしいし、やりがいを感じる瞬間。一緒に被災して一緒に苦しみながらもやれている。仲間たちがいるから、なるべく下を向きすぎず、明るい未来に向かってみんなで進んでいきたい」

(「グッド!モーニング」2024年9月25日放送分より)

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