復興途中の能登半島を襲った豪雨。石川県・輪島市などでは、23もの河川が相次いで氾濫しました。
なぜ、23もの河川が相次いで氾濫してしまったのか?まずは、河川の状況をまとめます。
■被害が拡大した「3つの要因」
石川県によりますと、能登半島では黄色と水色で塗られている計23河川が氾濫しました。氾濫した河川は珠洲市で7 、輪島市で6 、能登町で3 、七尾市で5 、志賀町で2の合わせて23河川です。
黄色で塗られている珠洲市・輪島市・能登町を流れる8河川は、21日と22日の2日間で2回氾濫しました。
氾濫した川の近くでは「仮設住宅が浸水」「住宅が4軒流される」「住宅が傾く」などの被害が出ています。
なぜ、ここまで被害が拡大したのでしょうか。東京理科大学の二瓶泰雄教授によりますと、「3つの要因」が重なったと指摘しています。1つ目は「地形」です。能登半島の河川は「長さが短いこと」が挙げられます。それに加え、山があり、急勾配であるため、上流で降った雨が一気に下流に流れて水位が上昇しやすいということです。
2つ目は「想定外の雨」です。護岸設計の際には、“計画雨量”を用います。この“計画雨量”は「多くてこれくらい降るのではないか」というものです。今回は、その雨量の2倍以上の雨が降った場所もありました。
そして3つ目が「地震の影響」です。元日の能登地震によって壊れた護岸が、仮復旧のままの状態でした。
これらの「地形」「想定外の雨」「地震の影響」という「3つの要因」が重なり、被害が拡大したのではないかということでした。
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■復興中の“豪雨” 地震に耐えた護岸も…■復興中の“豪雨” 地震に耐えた護岸も…
では、河川の今の状況を見ていきます。輪島市にいるテレビ朝日・山木翔遥アナウンサーに聞きます。 山木翔遥アナウンサー「石川県輪島市の鈴屋川の前にいます。住民に話を伺ったところ、地震の時にはそこまで崩れていなかった川沿いの斜面が、今回の大雨で大きく崩れたそうです。川沿いの住宅の1階部分がひしゃげています。
こうした地震の爪痕が残る中での今回の大雨被害。このような住宅は、町なかのあちこちにあります。
川の上流に目を移すと、大量の土砂とともに、人の大きさを超える流木が積み上がっているのが確認できます。こうした光景は、町の至る所で見られます。
町の中のスーパーの人は、川の水が道路に浸水し始めてから店の1階部分が水で埋め尽くされるまで15分から30分程度と、非常に短い時間であったといいます。
地震の影響でがれきが残された場所はまだたくさんあり、そのがれきが今回の大雨で川と一緒に流されて、新たな住宅被害につながったのではないかと話をされていました」
引き続き、土砂災害に厳重な警戒が必要です。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年9月23日放送)
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