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 東京都内の住宅に設置された防犯カメラには、玄関前にクマが現れ、仁王立ちして家の中に入ろうとしている様子が捉えられていた。今年は、東京都内でもクマの出没件数が急増している。

■「怖い」突然飛び出す巨大クマ 

 北海道音威子府村で5日、突然、道路の脇から飛び出してきたのは体長2メートルほどの巨大なクマ。衝突の勢いで、ボンネットに乗り上げた後、茂みの中に走り去って行った。  東京・あきる野市の住宅に設置された防犯カメラの映像では、何かを物色するように玄関先をうろつくクマが捉えられていた。クマは仁王立ちになり、家の中を覗き込む場面もあった。 自宅前にクマが現れた男性
「外でガタガタ音がしたんですね。なんか変だと思って(防犯カメラ)見たら、(自宅前に)クマがいた。本当にびっくりしました。クマを見たのは初めてですからね。最近はもう網戸も怖くて。サッシ閉めて戸締まりしています」

 さらに、別の場所でもクマは辺りを伺いながら、道路をゆっくりと歩いていく。この場所は、多くの人が利用する郵便局の前だ。

あきる野市民
「すごくいっぱい出ているという状況になってます。ちょっと怖いですよね」
「(クマ出没情報の)メールも来ますし、いつ出てくるのか分からないというのが怖い」  東京都によると、今年4月から先月にかけてあきる野市でのクマの目撃や痕跡に関する情報は50件に上り、去年のおよそ7倍になっているという。

 多くの目撃情報が寄せられているあきる野市・深沢地区では「ビワの木にクマがいた」という目撃情報があった。

ビワの木を所有する人
「(実を)食べてたみたい」
「もうこれ(ビワの木は)切る。お願いして」
「(Q.クマが来ないように?)切ろうとしているけど、栗の木はあるし、柿の木はあるし、全部は切れない。怖い」

■農家の廃業決断も、クマ被害が決定打に

 京都府京丹後市では、小学校のすぐ横にクマが現れ、街は恐怖に包まれていた。 地元猟師 宮本敏宏さん
「学校のそれこそ歩いて1分ぐらいの所ですね。本当に生活圏のど真ん中ですね」

 街の中心地にまで堂々と姿を現し始めたクマ。罠を設置し、7日後にようやくクマが捕獲された。これでひと安心と思いきや、その翌日には、なんと同じ場所に別のクマの姿が見られた。

 旬を迎えたモモ畑にも現れると、木の上に登り、収穫前のモモを我が物顔でむさぼるクマ。この畑でもクマを捕獲したが、その日の夜には、また別のクマが姿を現したという。

地元猟師 宮本敏宏さん
「この桃園の農家は廃業を決意したんです。クマ被害が決定打になって、『やめる』と言っていたので、悲しかった」

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■クマとの闘い続く 爆竹使用も

■クマとの闘い続く 爆竹使用も

 秋田県大仙市では、広さ4ヘクタールの畑に大粒のクリが実り、収穫の時期を迎えていた。早朝、神岡縄文農園を訪ねた。 従業員
「(Q.皆さんで何を準備されている?)クマよけの爆竹ですね。これはロケット花火」

 農家の人たちが手にしていたのは、クマよけのロケット花火や爆竹だ。

 去年9月、クリ畑の周辺で目撃され始めたクマ。神岡縄文農園の高橋徹代表は、クマの行動にある異変を感じていた。

高橋代表
「最初は『え?え?』と思ってたんですけど、クマはこの辺を自分のテリトリーにしたんだな。判断するしかなくなった」  以前までは、クリ畑を素通りしていたクマ。それが、去年あたりからこのクリ畑を餌(えさ)場にし始めたという。 高橋代表
「全部で9カ所鳴らして、クマが逃げてくれることを祈りながら(収穫を)やってます」

 1日3回以上、ロケット花火や爆竹を鳴らし、クマとの恐怖と闘いながら収穫作業が行われる。

高橋代表 
「(実が)なりすぎです」
「(Q.すごい量ですよね。これ)(例年の)5倍(実が)なっているものもあります。こんだけなったのは、私も見たことないです」

 今年のクリは例年にないほどの豊作で、その分クマの気配も多く感じるという。

高橋代表
「クマに上がられた形跡があります。曲がっちゃってる。あの上の枝、折れてますよね」

 農園では電気柵も設置し、クマ対策の費用に数百万円がかかったという。

高橋代表
「気力も全部尽きた場合は、このまま放っておく訳にはいかないから、(クリの木)を全部切らなきゃいけないんじゃないかと思っています」

 廃業することも頭をよぎるほど、状況は深刻だ。

高橋代表
「私がこれだけの面積にクマの大好物を植えたわけなので、全部切らなければ周りの人が納得いかない可能性はある」

■仁王立ちで車を威嚇するクマも

 兵庫県養父市では、車に襲い掛かろうとするクマの姿が目撃された。

 ゆっくりと近づいてきたクマは、車との距離が数メートルとなった次の瞬間、突然仁王立ちになった。首を左右に振りながらこちらを見つめ、まるで威嚇しているかのようだ。

 クマと出くわした新聞配達員の長島敏行さんは「さすがに立ち上がった時には、ちょっと怖いなという思いがありました」と話した。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年9月18日放送分より)

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