自衛隊員の弁当代を水増し請求して国から約95万円をだましとったとして、詐欺の罪に問われた陸上自衛隊旭川駐屯地幹部の目時(めとき)芳幸被告(55)と、地元業者「加藤商事」会長の宮崎二維(ふたい)被告(76)の初公判が26日、旭川地裁(小笠原義泰裁判長)であった。2被告とも「間違いありません」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、2人は2023年1月23~27日、同社から必要数より1日あたり250個分多く弁当が納品されたことにして、同駐屯地会計隊から同社の銀行口座へ代金を計94万5千円多く振り込ませたとされる。この間、目時被告は宮崎被告から15万円分の商品券を受け取っていた。
検察側の冒頭陳述によると、目時被告はコロナ禍で隊員が隔離されるなどしていた21年ごろから、急きょ弁当が必要になった際に宮崎被告に発注しており、その費用を後日、別の弁当代に上乗せするなどしていた。
その後、22年11月ごろから、自衛隊で必要な備品のための費用捻出と、加藤商事の赤字補塡(ほてん)のため、水増し発注を始めたという。
捜査関係者によると、起訴内容のほかにも、同様の手口で約200万円を国からだましとった詐欺の容疑で、北海道警が追送致しているという。
この日の公判の後、目時被告の弁護人が報道各社の取材に応じ、「コロナ禍のとき、他の業者には届けてもらえず、加藤商事だけが弁当の調達を請け負ってくれたことで関係が深まった」と説明した。
次回公判は6月24日で、被告人質問などが行われる予定。(新谷千布美)
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