38年前の1986年に中学3年の女子生徒が福井市の自宅で殺害された事件では、前川彰司さん(59)が殺人の罪に問われ、1審では無罪が言い渡されましたが、2審で懲役7年の有罪判決を言い渡され、確定しました。

前川さんは無実を訴えて服役後に再審・裁判のやり直しを求め、13年前に名古屋高裁金沢支部が再審を認める決定を出しましたが、検察の異議申し立てを受けて取り消されたため、おととし2回目の申し立てを行いました。

これについて弁護団は13日、高裁金沢支部から再審を認めるかどうかの決定を10月23日に出すという連絡を受けたことを明らかにしました。

高裁の審理では「前川さんを乗せた車の内部に血がついていた」といった関係者の証言の信用性が主な争点になりました。

弁護団は、関係者の証言について心理学者が行った鑑定結果などを証拠として提出し「証言は事実と矛盾する点が多く、ねつ造されたものだ」などと主張したのに対し、検察は「関係者の証言は大筋で一致している」などと反論しました。

一度、再審を認める決定が出された事件について、改めて司法の判断が示されることになります。

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