新潟県上越市教育委員会は11日、小学校の給食後、低学年の児童に食物アレルギーの症状が出て救急搬送されたと発表した。ただ市教委は、児童はアレルギー食材を口にしていないといい、食材が入っていた食器に体が触れたことが原因とみて詳細を調べている。
市教委によると、搬送されたのは9日午後の給食終了後。児童は卵に対するアレルギーがあり、午後0時55分ごろ、食器を片付けて席に戻った際に、同級生のかきたま汁が入っていた食器に左ひじが触れた。
水道で洗い流すなどしたが、約1時間後に湿疹の症状が現れた。連絡を受けて駆けつけた母親が内服薬を飲ませ、症状を緩和する自己注射「エピペン」を打ち、午後2時40分ごろに救急搬送された。児童は様子を見るため入院し、10日に退院した。
児童には卵を除いたメニューが提供されていた。市教委は、同級生の食器に汁が残っていたかどうかなどを含め、児童が発症した経緯や当時の状況を確認中という。
市教委の担当者は「誤食ではないケースで、あまり例を聞いたことがない」と話す。市教委では通常、アレルギー食材が給食に使われた際は、口から飛ぶなどした食材がアレルギーのある子どもに触れないように黙食を指導しているという。
母親は朝日新聞の取材に対し「命にかかわる問題であり、学校や市教委は重く受け止めてほしい」と話している。(北沢祐生)
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