去年1月、大阪 西淀川区の淀川河口付近で死んだ「淀ちゃん」とも呼ばれた体長14.7メートル、重さ38トンのマッコウクジラについて、大阪市は市内の海運業者と8019万円で随意契約を結び、紀伊水道沖に運んで沈める処理を行いました。
この費用は、市の当初の試算の2倍以上で、業者の提示額に近い額だったことなどから、市民グループはことし2月、市と業者の契約は違法だったとして、住民監査請求を行いました。
市の監査委員は26日、監査の結果を公表し、十分な検討がなされないまま高度な技術料が要求される処理方法を決定したことや、処理に過剰な仕様の船舶が使われたことなどに疑義があると指摘しました。
また、作業の実態に即した金額よりも、多額の不要な支出がもたらされていることが疑われるとした上で、議事録や業者との交渉記録、それに価格の積算根拠などが確認できず「8000万円という金額ありきで価格交渉が進められてきたと強く疑念を抱かざるを得ない」と指摘しています。
そのうえで横山市長に第三者機関などを設けて、契約の手続きや、金額の積算根拠などに関する疑義を詳細に再調査することなどを勧告しました。
大阪市 横山市長 外部監察専門委で詳しく調査へ
クジラの処理をめぐり、大阪市の監査委員から詳細に再調査するよう勧告を受けたことについて、大阪市の横山市長は「特殊性、緊急性がある事務で適切に進めてきたと報告を受けていたが、監査委員から事務処理の過程において疑惑が残ると指摘を受けた。そこは本当に申し訳ない」と述べました。
その上で、弁護士などでつくる外部監察専門委員会を立ち上げていきさつを詳しく調査する方針を明らかにしました。
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