裁判までの経緯
死亡した会社社長の野崎幸助さんは、出版した自伝で女性を次々と誘惑するスペインの伝説上の人物「ドン・フアン」にみずからを重ね合わせ、注目を集めました。
著書では、2017年の秋、羽田空港で転んだところを、当時21歳だった須藤被告に助けてもらったと紹介しています。野崎さんから結婚を申し込み、2018年2月に入籍したとつづっていました。
しかし、結婚から3か月後、野崎さんが自宅で死亡しているのが見つかります。死因は急性覚醒剤中毒で、警察は殺害された疑いがあるとみて捜査を始めました。
そして、3年後の2021年に被告が逮捕・起訴されました。
長期間に及んだ捜査では、野崎さんが覚醒剤を摂取したとみられる時間帯に被告だけが自宅にいたことや、スマートフォンの解析などで事件前に覚醒剤の密売人と接触していたとみられることなどが、わかったということです。
一方、被告は逮捕後の取り調べに容疑を否認し、その後も黙秘していたということです。
傍聴希望 倍率は約3.6倍
和歌山地方裁判所では午前9時20分から傍聴券の受け付けが行われ、傍聴を希望する人が長い列を作りました。
裁判所によりますと、47席の傍聴席に対して傍聴を希望した人は171人で、倍率はおよそ3.6倍だったということです。
大阪から訪れた50代の男性は「注目されている事件なので傍聴に来ました」と話していました。
和歌山市の70代の男性は「和歌山で起きた毒物カレー事件でも傍聴をしました。検察がどのように立証していくのかに関心があります」と話していました。
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