島根県出雲市の「ペンギンミュージアム」に生きたペンギンはいない。代わりにぬいぐるみやフィギュアなどのペンギングッズ2千点以上が来園者を迎える。野生動植物の保護に取り組む「ホシザキグリーン財団」の理事長がグッズを寄贈したことから2013年に開設され、好評だ。(共同通信=鈴木人生)
財団のホシザキ野生生物研究所、森茂晃(もり・しげあき)所長は「野生動植物の保護や理解を目的に活動しているため、ペンギンの生体を飼育することは考えていない」と説明する。
ミュージアムは、自然志向型の公園「宍道湖グリーンパーク」内の野鳥観察舎に併設されている。氷山や氷床をイメージした展示室では、公園を運営する財団の理事長で、業務用厨房(ちゅうぼう)機器大手ホシザキ(愛知県豊明市)の会長坂本精志(さかもと・せいし)さん(87)が約40年かけて国内外で収集した多様なグッズを鑑賞できる。
坂本さんは、会社の商品ロゴにペンギンが採用されたことがきっかけで、グッズを集めるようになった。
珍しいとされるチリ産の木彫りペンギンや、名古屋のステンドグラス専門店で特注したペンギン型ランプなども。ミュージアムには「何かにこだわりを持って長く続けることの素晴らしさを感じてほしい」という坂本さんの思いも込められている。
財団によると、ミュージアムの開設後、パークの来園者は数千人増加した。森所長は「ペンギングッズを目的に来た方が、野鳥観察に興味を持つことも。訪れた際は、ミュージアムの展示とパークの自然どちらも楽しんで」と話す。
家族で来園した奈良県生駒市の主婦森田絢果(もりた・あやか)さん(35)は「生きたペンギンがいると思って来たら、たくさんのグッズが展示されていて驚いた。意外性があって面白い」と楽しんでいた。
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