起訴されたのは、群馬県吉岡町のトラック運転手、鈴木吾郎被告(69)です。
起訴状などによりますと、ことし5月、伊勢崎市の国道で時速90キロまで加速させてハンドル操作を誤り、対向車線を走っていた2台の乗用車に衝突して、2歳の男の子と男の子の父親や祖父を死亡させたなどとして、過失運転致死傷の罪に問われています。
これまでの警察の捜査で、トラックの中に焼酎の空き容器が2つ残されていたほか、事故後に血液から基準を超えるアルコールが検出されていたことなどから、警察は8月、酒を飲んだ状態で運転して事故を起こしたとして、危険運転致死傷の疑いで逮捕していました。
過失運転致死傷の罪を適用したことについて、前橋地方検察庁は「継続捜査中で、現時点では今回の罪で起訴した」と説明しています。
また、検察は捜査中のためとして、運転手の認否を明らかにしていません。
事故で亡くなった3人
今回の事故では、前橋市の会社員の塚越寛人さん(26)と、息子の湊斗くん(2)、それに湊斗くんの祖父の塚越正宏さん(53)の3人が亡くなりました。
寛人さんの妻によりますと、寛人さんは常に湊斗くんが喜ぶことを考え、休みの日はごはんを作るなど家族思いだったということです。
そして、湊斗くんは日頃から笑顔が絶えず、ほかの子どもが泣いていると「大丈夫?」と心配する優しい性格でした。
また、正宏さんの妻によりますと、正宏さんは、夫婦げんかをしたことがないほど優しく頼りになる夫だったということです。
遺族がコメントを発表「到底納得がいきません」
トラックの運転手が起訴されたことを受けて、亡くなった3人の遺族は10日、弁護士を通じてコメントを発表しました。
この中で遺族は「尊い3人の命を奪った加害者の行為が、過失致死罪で済まされることには到底納得がいきません。捜査機関の方々には、引き続き捜査に尽力していただき、事故の原因を追及してもらいたいと思います」とコメントしています。
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