12日午前11時ごろ、宇都宮市田野町のトレーニング施設「リラクゼーションサロンVent」から「急病です」と119番通報があった。消防が駆けつけると、低気圧で酸素の薄い環境をつくる「酸素カプセル」の中で、競輪選手の渡辺藤男さん(57)と施設職員の女性(53)が意識を失った状態で倒れていた。女性は意識を取り戻したが、渡辺さんは重体。宇都宮中央署が原因を調べている。

 署によると、酸素カプセルは高さ約2・2メートル、幅約6メートルの円筒形。スポーツ選手が心肺機能を高めるための「高地トレーニング」をするため、内部の気圧を低くできる設備で、署は事故当時、2人で中に入り、女性が操作していたとみている。消防に通報したのは渡辺さんで、途中で会話が途絶えたという。

 署は2人が意識を失った原因を調べるほか、設備の利用手順に問題がなかったか確認する方針。

 トレーニング施設の近くにいた男性によると、施設は10年ぐらい前から営業していたとみられる。男性は「経営者は意識を失った人とは別の競輪選手のはず。最初のころは、一般人も受け入れていたが、今は競輪選手だけがカプセルに入りに来ているようだ」と話した。施設で同様の事案が起きたことはないという。(高橋淳、津布楽洋一)

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