1923年の関東大震災後の朝鮮人虐殺事件で、さいたま市内で犠牲になった姜大興(カン・デフン)さん=当時(24)=をしのぶ追悼会が命日の4日、墓のある同市見沼区の常泉寺で営まれ、約160人が参列した。大野元裕知事が初めて追悼文を送り、代読された。

姜さんの墓に手を合わせる参列者=4日、さいたま市見沼区の常泉寺で

 焼香や読経が行われた後、「姜大興さんの想(おも)いを刻み未来に生かす集い実行委員会」の小川満事務局長(72)が、大野知事の「関東大震災の発生から101年を迎えるにあたり、震災で犠牲になられたすべての方々に哀悼の意をささげます」とのメッセージを代読した。  清水勇人さいたま市長も昨年に続いてメッセージを寄せ、「震災後の混乱の中で亡くなられた方々に哀悼の誠をささげます」とした。  小川事務局長は「県のトップから虐殺や追悼会についてコメントを出してもらったことはありがたく、大きな一歩。今後も市民として歴史が風化されないようやれることをやっていきたい」と話した。  追悼会は2007年から実施。歴史学者らの調査報告書によると、関東大震災後に同県内では少なくとも193人の朝鮮人が犠牲になったとされる。(足立優作) 

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