マングースは、猛毒を持つハブを減らすため45年前に奄美大島に持ち込まれましたが、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギなどの希少な野生動物が襲われる被害が相次いだため、環境省が2005年に特定外来生物に指定し、駆除を進めてきました。
3日、有識者らでつくる環境省の検討会が奄美市で開かれ、ピーク時にはおよそ1万匹いたとされるマングースが6年以上捕獲されておらず、島内の579か所に設置したセンサーカメラでも生息が確認されていないことから、検討会として「根絶した可能性が極めて高い」と評価しました。
これを受けて開かれた会見で、環境省自然環境局の植田明浩局長が、奄美大島からマングースを根絶したと宣言しました。
環境省によりますと、マングースが持ち込まれたあとに根絶した事例は世界で9例ありますが、奄美大島のように広い範囲で定着した島で、根絶に成功するのは世界的にも珍しいということです。
一方、マングースが生息している沖縄本島中南部から再び侵入するおそれがあることから、環境省は今後も定点カメラによるモニタリングなどを継続していくことにしています。
伊藤環境相「世界的にも前例のない規模での成功事例」
伊藤環境大臣は、鹿児島県奄美大島でマングースの根絶を宣言したことについて、閣議後の記者会見で「世界的にも前例のない規模での成功事例で、得られた知見を国内外に発信し他の地域の対策にも貢献していきたい。四半世紀にわたり諦めずに努力を続けたことが根絶の成功の最も重要な要因だと考えている。外来種による被害の予防の3原則『入れない、捨てない、広げない』について改めて国民の皆さんに呼びかけたい」と話しました。
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