台風の中心から離れた関東でも大雨が降っています。

台風はいつまで列島にい続けるのか、現在の雨の様子をフジテレビ・川原浩揮気象予報士と見ていきます。

30日午後4時半現在の雨の様子になりますが、今、前線が延びてきている辺りが活発になってきているのと、台風が現在、中国と四国の間辺りまで進んできていて周辺で引き続き強い雨が降っているのと、離れた場所でかなり活発な線のような雨が各地に振っていて、全体的に非常に不安定な状況が続いています。

――台風10号は今、西日本を中心にいる?
九州を出たあとに東に進路をとっていますが、ちょうど中国と四国の間の瀬戸内海を東に進んでいるような状況が続いています。

暴風域はなくなっていますが、瞬間的にはまだ25m/hの風を吹かせる勢力を引き続きキープしています。

9月1日の段階で“熱帯低気圧”に変わるというのが今の最新の予報です。

――熱帯低気圧に変わるんですか?

台風は“温帯低気圧”になることが多い印象かと思います。
温帯と熱帯の違いは、台風が日本付近に来ると北側に冷たい空気があるので、普通は冷たい空気と台風が混ざることで「温帯低気圧」になり、台風ではなくなります。

「熱帯低気圧」になるということは、冷たい空気と混ざっていないということです。

南国の空気のまま風だけが弱まって、もとの熱帯低気圧に戻ったということになり、台風になる前の状態にいったん戻ったということになります。

――熱帯低気圧に戻ってしまうとどういったことが考えられる?

熱帯低気圧は南国の空気の塊そのものなので、非常に危険な雨をもたらす豪雨の元です。
引き続き湿った空気が周辺に何をするかについては注視していきたい状況です。

――進路図を見ると今回の台風はかなり円が大きく、進路が分からずゆっくりだといいますが、今後どうなっていく?

まだこれだけ大きな予報円があって、迷走状態が続いていますが、海外でも同じような予想が引き続き出ています。

アメリカでは、29日の時点で「四国で台風がぐるぐるする」とお伝えしましたが、今度は近畿を巻き込んでぐるぐるするという予想となっています。

ヨーロッパはさまざまな気象条件やパターンで、どこに行くかを複数試すシミュレーションですが、四国・近畿辺りでは予想ルートを表す線が多数重なり、見えづらくなっています。

線が認識できるのは、来週の半ばくらいの時間軸を表している色(緑や紫)で、しばらく離れた場所でぐるぐるしたあとに東に行くパターン、日本海に行くパターン、さらには西側に戻っていくパターンも予想されています。

台風10号がどこに行くか分からない理由は2つで、高気圧にしばらく阻まれていて来られなかったことと、本来ならば台風を東に流していく上空の偏西風に乗れていないことがあげられます。

台風10号は、関東に直撃するのかについての最新の予報です。

30日午後6時をスタート地点にして、台風の中心は四国と中国の間辺りです。
台風は、このあと東側に向かって動いていきます。

周辺でかなり雨が強まりますが、31日の昼ぐらいに中心が1回東海沖に出て、しばらくこの辺りで過ごしたあとに9月1日の午前に静岡辺りから関東に北上して縦断していって、夜には関東北部に届くという予想が、いろんなパターンの中の1つの計算モデルとして出ました。

――1回海に出て、力をつけてまた北上するように見えたが?

海面水温が高いため勢力が落ちないといいます。
この辺りの海面水温がまだ28~29度あるという異常な温度の高さで、陸までその温度が迫っているので、この辺りでもう1回エネルギーを蓄えたあと、その勢いのまま上がってくるという状況になっています。

――この危険範囲、東側は進行する力と風の力が重なってしまうので、関東も直撃の可能性は高いのか?

はっきり言えると一番いいですが、シミュレーションの1個としてこのパターンが出ているほかに、別の計算モデルで見てみると、関東まで来ずに静岡でUターンするパターンもあったりします。

今もまだどこに行くか分からないということで、引き続き最新情報をご確認いただきたいです。

――週末の台風は?
31日のほうが、9月1日に比べ雨がやむ時間帯が多い見込みです。
1日は、台風が上陸して通過する可能性があります。

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