保護司の担い手不足を解消し、持続可能な制度とするために法務省が立ち上げた有識者検討会が29日、第12回会合を開き、最終報告書案が示された。大津市で男性保護司が殺害された事件を受け、安全対策として保護司の担当案件を国家公務員の保護観察官が定期的にチェックする仕組みを導入。面接時の観察官のオンライン立ち会いや、リモート研修の充実も盛り込んだ。
1期2年の任期の延長や新任時の年齢制限撤廃なども明記。9月の検討会で取りまとめる方針で、法務省は保護司法改正に向けた準備に入る。
報告書案は、保護司が受け持つ案件の定期点検だけでなく、必要に応じて保護観察官による直接処遇などに切り替える措置も必要だと指摘。対象者との面接時には、保護観察官が対面やオンラインで立ち会えるようにするのが望ましいとした。
働きながら保護司を務める世代に配慮し、リモート研修の導入も進める。活動の機会を十分に設ける必要があるとして、1期2年の任期の見直しにも言及。法務省によると、3年程度に延長することを想定する。
無報酬のボランティアとの立場を維持すべきかも論点となったが、慎重意見が相次いだ。無償であることが「地域社会における自発的な善意を象徴する」と記し、報酬制はなじまないとした。
一方、今後も社会情勢や価値観の変容に対応していく必要があり、少なくとも5年ごとに法務省が制度の在り方を検討すると記載した。
保護司は減少傾向で、高齢化も進む。危機感を抱く法務省は2023年5月に大学教授や保護司らによる検討会を設置し、対策を協議してきた。〔共同〕
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