台風10号による大雨について、気象予報士の今村涼子さんに聞きます。
■台風10号の動き、周囲への影響
台風10号は非常にゆっくりと九州を横断しています。そのため記録的な雨量になっている場所が増えていて、今後さらに増えるという状況になりそうです。台風本体の活発な雨雲が、九州の同じような場所でグルグル回っています。これが台風の動きの遅さを表しています。
29日(木)の朝にかけて、九州方面で「線状降水帯」が発生しました。また、台風から離れた四国や東海、関東地方にも湿った風の入り込みがさらに強まっていて、活発な雨雲がかかりやすくなっています。
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■今後の進路は?場合によっては少し戻ることも■今後の進路は?場合によっては少し戻ることも
では、台風10号の最新の動きをみていきます。台風10号は現在、長崎県内にあります。29日(木)の朝、鹿児島県内に上陸したため勢力は弱まっています。ですので、今は強い台風ではなくなっています。 今後の予想では、30日(金)の日中にかけて九州北部を通過し、31日(土)にかけて四国や近畿方面に進む見込みです。2日かけてもまだここまでしか進まないという状況で、影響が長期間にわたることが懸念されています。さらに、9月1日(日)の予報円を見てみますと、台風がほとんど動かない可能性もあります。場合によっては少し戻ることも考えられ、迷走気味な傾向が強まっています。
9月2日(月)の予想図では、中心線を結ぶと進んでいるように見えますが、予報円が大きいため、留まるような状況が考えられます。台風10号は、動かす風がないエリアにスポッと入り込んでしまっているような状況で、台風自身もどこに行っていいのか分からない、そんな状況です。
台風が留まるということは、湿った空気の流れ込みが続きます。台風の勢力が弱まるというのは風速が弱まるということで、雨雲自体は今後も継続してかかり続けることになります。
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■注意が必要なのは大雨 特に警戒が必要なエリア■注意が必要なのは大雨 特に警戒が必要なエリア
今後、特に注意が必要なのは大雨です。大雨に警戒するエリアが2つあります。西日本方面と東海・関東方面です。
まず、西日本方面では29日(木)の夜以降も、活発な雨雲が回り込む状況が続きます。激しい雨が降りやすい状況です。九州南部などでは現在、雨がやんでいる場所もありますが、30日(金)にまた回り込んできて、再び激しい雨が降る可能性があります。雨が弱まったと思っても、油断はできません。もう一度、ピークがやって来る状況です。
30日(金)の日中になると、四国や中国地方でも非常に激しい雨が予想されています。九州では、多い所ですでに800ミリを超える記録的な雨が降っています。そこにまた雨が降りますので、地盤の緩みも考えられ、土石流、大きな川の増水など危険な状況になる可能性があります。 そして、東海・関東でも活発な雨雲が29日(木)の夜にまとまり、赤いエリア(24ミリ以上)も見られて非常に激しく降ります。30日(金)の日中も断続的に激しい雨が降って、特に静岡県内では黄色(8ミリ以上)のエリアが消えません。激しい雨が、長時間続くおそれがあります。 9月1日(日)午後3時までの72時間に降る雨の量を見てみます。目立つのは静岡県内です。800ミリ以上の表示が出ていて紫色になっています。静岡県内でこれほどの雨量は、なかなかないことで、かなり危険な雨量になりそうです。その他、関東の山沿いでも400ミリを超える雨量が予想され、平年の1〜2カ月分以上の雨量が予想されています。
九州以外にも、東海や関東の山沿いなどでも大きな災害に結び付くおそれが出てきています。
自分がいる場所が本当に安全かどうかを、今一度確認してください。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年8月29日放送)
テレ朝天気
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