文部科学省は29日、2025年度予算案の概算要求を公表した。国立大に配分する運営費交付金は24年度当初予算比で3%増の1兆1145億円を計上。私立大への補助金も増額を要求し、物価高などによって厳しい財政状況に置かれている大学の基盤的経費を確保する。

一般会計の要求総額は11.5%増の5兆9530億円となった。

文教分野は8%増の4兆3883億円。国立大の財政を巡っては、国立大学協会が6月、「もう限界」と訴える声明を出し、交付金の増額に向けた社会の後押しを求めていた。

私立大の経常費補助金は4%増の3091億円を計上。現行の算定方式になった21年度以降で最大の要求額となった。

人気が低迷する教員の確保については、公立学校教員の残業代の代わりに基本給の4%を上乗せする「教職調整額」を13%とする方針で、教職員定数の改善なども含めた義務教育費国庫負担金として1兆5807億円を計上した。24年度予算比で180億円増となる。

小中学校などの児童生徒に1人1台端末を配布する「GIGAスクール構想」のさらなる推進に向けては88億円を計上した。学校の通信ネットワークの改善やセキュリティー対策指針の策定などへの支援に充てる。

科学技術分野は21%増の1兆1820億円。国の基幹スーパーコンピューター「富岳」の後継機の開発・整備費として42億円、月面有人探査「アルテミス計画」に向けた研究開発に370億円を盛り込んだ。

文化芸術分野は32%増の1400億円、スポーツ分野は21%増の436億円を要求した。部活動の地域移行に向けた環境整備に69億円を計上した。

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