警察庁は、都道府県警に配備しているドローンの数や機能を拡充し、災害対応や要人警護への活用を進める方針を決めた。購入費用などとして来年度予算の概算要求に2億4800万円を計上。無線と有線を切り替えられるタイプなどを導入し、新たな活用分野も研究する。ドローンの運用や、ドローンを使った攻撃への対処を担当する専門の部署を警備局に新設する方針だ。
ドローンは、災害では2014年の御嶽山噴火や18年の北海道胆振東部地震、21年の静岡県熱海市での土石流などで、上空からの行方不明者捜索や警戒活動に使われてきた。
長時間飛行、耐風機能の機種購入へ
今年1月の能登半島地震をきっかけに、警察庁は被災地における車両の検問にドローンを活用できないかを検討。上空から映像を撮影し、地上の警察官などが確認するといった使い方ができるという。こうした活用では一定の範囲内で長時間飛行できる有線を使用し、捜索などの際は無線に切り替えて広範囲を飛べる機体を新たに導入する。防水や耐風の機能がある悪天候に強い機種や、より長時間飛べる翼がついた機種などを購入し、活用方法を検討する。
要人警護では23年度に全都道府県警にドローンを配備。選挙の演説会場などで、上空から不審な動きをしている人物がいないかなどを監視する取り組みを始めている。
ドローンはテロや犯罪で上空からの攻撃に悪用されることもある。ロシアによるウクライナ侵攻でも使われた。国内ではサミットなどの大規模イベントの際に、警察はドローンによる攻撃に備えた体制を取っている。警察庁は、ドローンによる脅威について海外での事例なども含めて情報収集や研究を進めていく。(板倉大地)
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