お盆休みに相次いで目撃された高速道路での逆走運転。なぜ人は逆走してしまうのか、逆走事故に巻き込まれないためにどうすべきか。専門家に聞いた。
【映像】高速道路でUターンして逆走する車(衝撃の映像)
夏休みの8月15日、東北自動車道で撮影されたのは、1台の逆走車の動画だ。間一髪でハンドルを切ったドライバーは「終わったなと思った。1秒でも目を離していたらぶつかっていた」と振り返る。
さらに別の車両のドライブレコーダーには、同一車両と見られる車が高速道路上でUターンする姿も記録されていた。その撮影者は「すれ違いにパッシングしたら、あっちもパッシングし返してきたので、(逆走に)気がついたかなと思ったが、そのまま真っすぐ行った」と語る。結果として、目撃地点より2.5キロの地点で乗用車と衝突し、逆走した車の運転手と乗用車の運転手が死亡した。
逆走による事故は、この翌日も東北自動車道で発生した。男性(81)が運転していた乗用車が逆走し、バイクと衝突。バイクを運転していた男性(31)が、ケガを負って病院へ搬送された。国土交通省のデータによると、2020年以降の逆走事案発生件数は、増加傾向にある。
交通事故防止コンサルタントの上西一美氏は「多くの逆走車は、2車線の道路の追い越し車線を逆走してくることがほとんど。これは単純に自分が走行車線を走っている意識だ」と指摘する。「“自分が正当に走っている”と思っているパターンと、“自分が逆走していることに気づいて、パニックになって、そのまま走っている”ケース。もうひとつは“意図的にやっている”。例えば、道を間違えて、イチかバチかで『行っちゃえ』というパターンがある」。しかし、入口が決まっている高速道路で、なぜ逆走が起こるのか。NEXCO東日本 本部 交通管理課の植田健課長代行は「正しい方向に行きたいという心理が働いて逆走する」と考察する。
NEXCO東日本によると、逆走のパターンとしては「行き先を間違え本線を逆走」「目的の出口を通過してしまい入口車線を逆走」「目的の出口を通過してしまい本線上でUターン」「目的の出口を間違えUターン」「料金所を通過後、出口車線を逆走」の5つがある。逆走車に遭遇した場合、植田氏は「安全な場所を見つけて、衝突を避けるために停車なりしてほしい」と呼びかける。逆走車を見かけたら、警察などに通報することが重要だ。上西氏は「多くの人は『自分は正常な運転ができる』といった変な自信から、(運転ミスを起こす)想定ができない。実際に(逆走を)やってしまうとパニックになる」と語る。
では、もし逆走してしまった場合は、どのように対処すれば良いのか。植田氏は「身の安全を確保するためには、逆走に気づいた時点で、一番安全な場所でハザードをつけて、まずは止まる」と説明する。車を停車させた後は、安全を確保しながら車外へ避難するが、その際に「走行車線の車との接触」にも注意が必要だ。追い越し車線を逆走した場合は「なるべく助手席側から、安全なガードレールや中央分離帯の中に避難することが考えられる」。安全を確保したら、すぐ警察に通報する必要がある。
上西氏に「逆走を起こさないための心構え」を聞いた。「道を間違えたら、開き直ることが一番だ。『自分たちは(逆走を)起こさない』という強い思い込みだけは捨ててほしい。絶対にやるという気持ちを持つことで、やってしまったときの冷静な判断ができる」。
逆走以外にも高速道路でのトラブルは想定される。もしも「あおり運転」されたら、まずは相手に道を譲る。それでもダメなら、安全かつ人目の多い場所に停車し、ドアや窓を全てロックした上で、警察に通報する。
また「落とし物」をしてしまったら、ハザードランプをつけて安全な場所に停止し、どこで何を落としたか通報する(道路緊急ダイヤル#9910)。なお、自分で拾うことは絶対に避けるようにする。
ETCカードを挿入せずに、高速の料金所を通過してしまうこともある。その際には、まず目的地まで走行し、目的地インターチェンジの係員に報告する。高速道路の管轄会社に、通行日時や通行した料金所など、支払いに必要な情報を伝えることで、後から料金を支払うことが可能だ(ETC割引などのサービスが受けられない可能性がある)。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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