米不足で米を店頭で買えない事態が相次いでいるとして、大阪府の吉村洋文知事が政府に対して異例の要請を行いました。
■「眠らせる必要ない」吉村知事が放出要請
吉村知事「(政府)備蓄米をそのままにしておく必要もないと思いますし。需給がひっ迫してるのであれば、倉庫に眠らせておく必要はない」
大阪府の吉村知事は26日、農林水産省に対し、政府備蓄米の放出を要請したことを明らかにしました。
政府備蓄米は、米の不作の年が続いた際などに安定供給できるよう、政府が保管している米のことです。直近では、東日本大震災の影響で生産が落ち込んだ2012年に市場に放出されました。 大阪府の調査によりますと、府内の小売店のおよそ8割で米の品切れが発生しているといいます。吉村知事の要請に対し、農水省はこう回答したといいます。
吉村知事「現時点で国から備蓄米の開放をするつもりはないという回答。理由としては、全国的に見れば需給はひっ迫していない。需給がひっ迫してるのかしていないのかというところで、事実の認識の違いがある」 農水省は、6月末時点で全国の米の在庫量は156万トンあり、新米が出る9月までの在庫は確保できているという見解を示しています。
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■政府備蓄米の放出は必要? 農水省は…■政府備蓄米の放出は必要? 農水省は…
政府備蓄米の放出は必要か?そうではないのか?番組は大阪府内の卸売業者を取材しました。 東大阪市の卸売業者「(吉村知事が)良いこと言ってくれたかなと思ったりもしますが。私も7月の時に農水省の方とお話しさせてもらう機会がありまして、『備蓄米は食べる用というよりは飼料米として出すのが通例』と言ってた。やっぱり肌感覚の部分が感じられてないのかなと感じました」
別の卸売業者は…。
大阪府松原市の米の卸売業者「政府備蓄米が出た後は相場がごろっと一変するんで、ちょっとまずいな。備蓄米出すのは裏技の裏技なんで、やられると困るんですよね。急に大外からボンって(安い)政府備蓄米が出てきたら、今仕込んでる米が(暴落して)今度、僕が逆ザヤで死んでしまうんで。やめてくれって話ですね」
卸売業者の間でも意見が分かれる、政府備蓄米の放出。番組が改めて農水省の担当者に問い合わせてみました。
農水省の担当者「在庫が全くないという状況であれば、出さないわけではないが、在庫がある中で政府備蓄米を出すと、価格が不安定になるほか、民間の供給体制に混乱が生じるので、影響を与えるべきではないと考えている」
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■米不足もう一つの原因…お盆時期が関係?■米不足もう一つの原因…お盆時期が関係?
南海トラフ巨大地震の注意情報が出たことなどにより米を備蓄する人が増えた影響で起きたとみられる米不足。番組が取材を進めると、もう一つの原因として、お盆の時期が関係していることが分かりました。
松原市の米の卸売業者「宮崎の地震が8月8日だった。8月9日の時点でお米を発注しても、翌週ってお盆じゃないですか。なので、出荷も物流も全部止まってた状況だったんですよ」
米の需要が高まっているにもかかわらず、お盆の時期で流通がストップしたため、米不足に拍車がかかったというのです。
農水省は、お盆明けに発注された米が今後、徐々に市場へ入ってくるとみていて、米不足は解消に向かうとしています。(「グッド!モーニング」2024年8月27日放送分より)
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