石川県能登町鵜川で24日夜、奉灯「にわか」が練り歩く「にわか祭」があった。能登半島地震の影響で規模を縮小。勇壮な武者絵を描いた4基が、建物のがれきで山積みとなった一帯に明かりをともした。

倒壊した建物の横を通る「にわか」=石川県能登町鵜川で(桜井泰撮影)

 24日午後7時すぎ、3基が菅原神社近くの「見卸(みおろ)しの浜」を出発して、海瀬神社まで荒々しく練り歩いた。もう1基も、巡行する範囲を限って参加した。  例年は9町内の9基が巡行し、大漁や海の安全を祈る。地震で多くの家屋が倒壊し、道路も亀裂や段差ができるなどして開催の賛否が割れていた。「町を元気にしたい」「伝統を途絶えさせたくない」と若者を中心に声が上がり、開催にこぎ着けた。

倒壊した建物の横を通る「にわか」=石川県能登町鵜川で

 菅原神社宮司の梅田真人さん(57)は「人が集まると自然と笑顔になる。ほんのひとときだけでも、以前と同じような気持ちになってくれたら」と話した。(奥川瑞己) 

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