千葉県富津市と鋸南町にまたがる鋸山(のこぎりやま)が文化庁の「日本遺産」候補地域の最終審査に進めなかったことを受け、富津市は22日、引き続き認定を目指す方針を明らかにした。(山本哲正)

◆「候補地域として認定継続」で最終審査には進めず

鋸山日本寺の大仏=千葉県鋸南町で

 市によると、鋸山は2021年に候補地域に認定された。両市町の官民連携で日本遺産認定を目指してきた。先月に文化庁が発表した審査結果は「候補地域として認定継続」で、最終審査に進めなかった。  総括評価は、「日本遺産ストーリーの体験につながる整備のさらなる充実が望まれる」として「整備」の1項目が「不可」となったものの、「集客・活性化」「人材育成」など残り10項目で「可」だった。

◆「箸にも棒にも引っかかってないわけではない」

 22日の記者会見で高橋恭市市長は「合格点に近い評価をいただき、箸にも棒にも引っかかってないわけではない」との受け止めを示し、「残念だが、チャンスは失っていない。鋸南町と連携しチャレンジを続けたい」と述べた。  岡根茂教育長は、鋸山の鋸南側の日本寺を中心に展開する仏教関連遺跡などと、富津側に残る石切り場跡としての産業遺跡について「関連性を示すのは難しいが、それぞれに人の営みが感じられる山。そこを大事にしているまちだとアピールし、認定にこぎ着けたい」と語った。  鋸南町教育課は「スタンスとしては富津市に足並みをそろえていく考えだ」としている。 

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