1923年の関東大震災で朝鮮人が虐殺された問題を巡り、前法政大学総長の田中優子さんが代表を務める「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」が23日、東京都庁で会見を開き、小池百合子都知事に対し、9月1日に営まれる朝鮮人犠牲者追悼式典に追悼文を送るよう求める要望書を提出したことを明らかにした。

朝鮮人虐殺問題を巡り、東京都の小池百合子知事の姿勢を批判する前法政大学総長の田中優子さん(左)ら=23日、東京都庁で

◆理由を語らない知事へ

 要望書は21日に小池知事宛てに郵送した。知事は就任2年目の2017年から墨田区の横網町公園で営まれる追悼式典に、追悼文の送付を見合わせている。今年も見送れば8年連続となるが、理由を明確に語っていない。  田中さんは、歴代都知事が追悼文を送ってきた経緯を踏まえ「やめたことには相当の理由があるはず。虐殺を否定するなら根拠を示して、議論すればいい」と訴えた。  虐殺を巡っては「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言や朝鮮人への差別意識が原因とされており、田中さんは「震災や天災では日常の差別が形となって現れる。二度と起こさないために、毎年9月1日に(虐殺の歴史を)発信するべきだ」と、小池知事の姿勢を批判した。(原田遼) 

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