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 今、生成AIの技術を使い、亡くなった家族の動画を作ってSNSに投稿するという人が増えています。

■がんに苦しむ姿ではない、笑顔の母親が

 Xに投稿されてからわずか1カ月で800万回以上再生されたこちらの動画。

たまこさんのSNSから
「AI使って35歳で亡くなった母の写真動かしたら泣けた。お母さんに会いたいなぁ…」  動画の女性は投稿者の母親。投稿者が8歳の時、がんで亡くなったといいます。 動画を投稿した たまこさん
「いつも母に会うときは病院に会いに行って『帰りたくないよ』って私が泣くと、ちょっと困ったような顔をしたりとか。すごく泣いている母の記憶がすごく強いんです。私の記憶の中に」

 生成AIでよみがえったのは、苦しむ姿ではない笑顔の母親。

たまこさん
「言葉にならなかったっていうのが最初の感想でした(母親の)笑顔の仕方とか、本当に記憶にないので。こんな顔で笑うんだっていう」

 こうした動画は、スマホ一つで誰でも簡単に作ることができるといいます。

 写真から動画を作れるソフトで、実際にどのようになるのか試してみます。草薙和輝アナウンサーの子ども頃の写真を使って動画を作ってみます。  写真を読み込ませることおよそ3分。生成AIによって、わずか数分で思い出の写真が動き出しました。

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■亡くなった妻と歌でコラボも…

■亡くなった妻と歌でコラボも…

 東京・練馬区に住む松尾公也さん(64)。11年前に妻・敏子さんを乳がんで亡くしました。2人の出会いはおよそ40年前。学生時代のバンド活動がきっかけでした。

松尾さん
「2人ともビートルズが好きで一緒に旅行して、新婚旅行。ビートルズの生誕の地であるリバプールに行って。思い出は山のようにあります」  結婚後は夫婦でバンド活動を続けていましたが、2010年、妻に乳がんが見つかりました。 松尾さん
「手足が赤く腫れあがって、それこそ歩くこともできないようなものもあったりとか。そういう時は本当に状態が悪くて、本人も相当つらかった様子がありましたけど」  3年に及ぶ闘病の末、50歳で亡くなりました。 松尾さん
「ズンと重しが、からだ全体にかかったような感じがあった」

 そんな松尾さんの心を救ったのが、生成AIだったといいます。

松尾さん
「妻のことを思い出していくための道具という言い方をしたら変ですけど、妻と交流するための窓みたいなものじゃないかなと」

 松尾さんは生成AIを使って、亡くなった敏子さんの姿や歌声を再現しています。

松尾さん
「これがロンドンの駅の構内でホームにいる妻ですね。これでできました。再生してみましょう」
「(Q.完成した動画を見た時は?)ここまでできるんだって。もちろん本物ではないんですけど、そのおかげで妻と一緒にずっとコラボ(歌)を続けるということが、かりそめでもできるようになったというのはありがたいことだなと」

 生成AIを利用して敏子さんとの新たな思い出を作る松尾さんは、このように話します。

松尾さん
「頑張っているねと言ってほしいな。夢では会えるんですけど、必ず会えるとも限らないので。でも、それに近いことはできているかな」

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■「ぶっ飛びすぎ」暴走した?失敗作も

■「ぶっ飛びすぎ」暴走した?失敗作も

 日々進化している生成AI。現在では数多くのアプリやサイトが登場しているといいます。生成AIのアプリを手掛けるアメリカの企業は…。

生成AIアプリ「LUMA AI」
開発担当者
「本来は空想の人物や風景などを生成するのを想定していて、亡くなった人物をよみがえらせるのは予想していなかったです」

 SNSで相次ぐ、「亡くなった人の過去の写真を動かす」投稿。

開発担当者
「人々の心に安らぎを与えているというのは、個人的には心が温まる使い方です」

 ただ、新たな使い方が広がる一方で、まるでAIが暴走したかのような失敗作もあふれています。

 こちらは、仲睦まじい様子で車椅子を押しながら散歩をする老夫婦の写真。

動画を投稿した NAOさん
「亡くなった祖父母がすごく仲いい写真があったので、動画を生成して、また二人が動いている姿とかを見たいなと思って作った」  しかしAIで生成してみると、突如、車椅子が勝手に走りだします。のどかな農村の風景は外国の風景に変わり、車椅子を押していたおじいさんは、サングラスの外国人風に。手には銃のようなものが握られていました。 NAOさん
「ぶっ飛びすぎてて、AIまだこんな感じなんだなと思いました」  こちらの祖父に抱かれる子どもの写真はというと、子どもが走り出すと同時に、後ろから別の子どもが現れ、なぜか二人に分かれます。 子どもの1人がスニーカーに変化

 その後、子どもの一人がスニーカーに変化してしまいました。なぜこんなことが起こるのでしょうか?

開発担当者
「根本的に、AI(人工知能)が、まだ人間の動きや感情を学習しきれていないのです。今後、改善していこうと取り組んでいるところです」

 さらに行動の予測がうまくいかずに、おかしな動画ができ上がってしまうといいます。

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■ディープフェイクも普通のノートパソコンで…

■ディープフェイクも普通のノートパソコンで…

 一方で、生成AIを規制する動きも出ています。

AIエンジニア 安野貴博氏
「あーあー、聞こえますでしょうか。このマスクをつけるとリアルタイムに私の声が“総理の声に変換”されて聞こえるようになる」 岸田総理
「あっ、そう」  政府は去年5月、生成AIのリスクについて、官邸に専門家を招いて意見交換を行いました。 安野氏
「こういった普通のノートパソコンであっても、こういったことができてしまうわけでございます。これがディープフェイクと呼ばれる技術」

 日々進化を続け、映像や音声も本物そっくりに生み出す生成AIの技術。今後、私たちの生活をどう変えていくのでしょうか。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年8月23日放送分より)

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