■台風10号 強い勢力で西日本〜東日本を直撃か 2018年21号との類似点
台風10号は発達を続けていて、23日午前3時には暴風域ができました。今後、勢力を強めながら北上し、日本に近づく予想です。まだ発達の程度や進路に幅があるものの、27日〜28日ごろには西日本や東日本を直撃する可能性が高くなってきました。
現時点で今回の台風10号の進路・勢力と似ているのは、2018年の台風21号です。2018年の21号は俗に「関空台風」と呼ばれ、関西国際空港が高潮で冠水、タンカーの衝突で空港への連絡橋が不通になる、車が横転する、大規模な停電が発生するなどの被害が出ました。
そのような「関空台風」と今回の台風10号、いくつか似ている点があります。
(1)接近・上陸時の最大瞬間風速
23日午前9時発表の台風情報によると、27日〜28日にかけて台風10号の中心付近の最大瞬間風速は45〜60mの予想です。実際にこのレベルの風が吹くと、一部の住家が倒壊、走行中のトラックが横転、電柱や樹木が倒れる恐れがあります。
一方、2018年の「関空台風」のとき、関西国際空港で実際に観測された最大瞬間風速は58.1mです。今回もこれと同レベルの風が吹き、同程度の被害が発生する可能性があるため、暴風に厳重な警戒が必要です。
(2)コース次第では高潮の被害拡大か
27日の予報円で、台風10号の中心気圧は950hPaです。これは「関空台風」のときの上陸直前の中心気圧と同じです。特に台風中心付近では気圧が低くなるため、大気が海面を押さえつける力が弱く、高潮が発生しやすくなります。
さらに、台風の進行方向右側では台風の反時計回りの風が加わります。台風の進路の右側に、南へ開いている湾があると波が湾の奥へ吹き寄せられるため、さらに高潮の被害が拡大する恐れがあります。
台風10号がどこに上陸するかにもよりますが、四国へ上陸した場合は紀伊水道周辺で、紀伊半島へ上陸した場合は伊勢湾周辺で高潮の影響が大きくなりそうです。
(3)台風が近づく前から大雨に
そしてもう一つの類似点は、台風の北側に秋雨前線があることです。台風周辺の湿った空気が秋雨前線に向かって流れ込むことで、前線の活動が活発になります。また、湿った南風が流れ込み続けるため、たとえ前線がかかっていなくても、太平洋側の山々の南側斜面で雨雲が発達し、雨量が多くなる恐れがあります。
■台風が近づく前に備えを 直撃まで時間は十分ある
台風が直撃するのは、27日〜28日ごろとみられます。まだ十分に時間がありますので、進路にあたる地域では備えを徹底してください。大規模な停電が発生し、停電が長引く可能性もあります。まだ残暑が厳しい時期なので、停電しても涼しく過ごせるよう、車のガソリンを満タンにしておくのもおすすめです。
■23日は日本海側で40℃に迫る暑さ 強雨にも注意
きょう23日は、北海道付近に前線を伴った低気圧があり、北日本ではあす24日にかけて大雨に警戒が必要です。一方、この低気圧や前線に向かって南風が吹き込みます。この南風が山を越える際、乾いた熱風となって日本海側に吹きおります。いわゆるフェーン現象が発生するため、北陸や山陰などで40℃近い暑さが予想されています。
【予想最高気温】39℃ 富山、豊岡(兵庫)、鳥取など
38℃ 長岡(新潟)、福井、舞鶴(京都)など
熱中症に厳重な警戒をしてください。
一方、南風は湿った空気も運んでくるため、太平洋側の各地で大気の状態が非常に不安定となっています。ゲリラ雷雨が発生する可能性があるため、晴れているところでも天気の急変にお気をつけください。
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