世界でも発見例がほとんどない、直径15ミリほどで触手が200本以上ある綿毛に似た「ワタゲクラゲ」が7月、東京都江戸川区の江戸川放水路で見つかった。区子ども未来館スタッフの高木嘉雄さん(70)が網ですくい上げた。

水槽内のワタゲクラゲを解説する高木嘉雄さん(鈴木里奈撮影)

 高木さんは7月12日、地元の生き物に関するプログラムの準備のため放水路に向かった。一帯は淡水と海水が混じり、水の流れが穏やかな地点。プランクトンを採取しようと網を入れると、網目に透明のゼリー状の個体が詰まり「魚卵かな」と首をかしげた。  水槽に入れると小さな触手が見え、「クラゲだ」とピンときた。図鑑で調べても種類が分からず、クラゲ研究で知られる山形県鶴岡市の加茂水族館に協力を依頼。世界では長崎県で2例しか見つかっていないワタゲクラゲとわかった。

◆生息分布は?「探して報告して」

 放水路ではワタゲクラゲらしき個体が毎日数十~数百匹採取でき、「きっと今までも見過ごされてきたのだろう」と高木さん。区内での生息分布を知りたいと考えており、「子どもたちに探してみようと呼びかけ、見つかった場所を報告してもらえれば」と話した。

江戸川放水路で見つかったワタゲクラゲ(鈴木里奈撮影)

 ワタゲクラゲは、篠崎文化プラザ(都営新宿線篠崎駅そば)で31日まで開かれている企画展「小さないのちのワンダーランド」で見ることができる。子ども未来館でも今後、展示する予定。(鈴木里奈) 

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