8~15日に気象庁が呼びかけた南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」。契機となった日向灘を震源とする地震はマグニチュード(M)7・0と推定される。
東海から九州の太平洋沖にかけて広がる南海トラフ地震の想定震源域の中で、2017年11月から運用が始まった臨時情報の「注意」では、避難ルートや備蓄の状況、連絡手段の確認、家具の固定などが促された。
元日に起きた能登半島地震、盆の時期に出された「注意」。災害はいつ起きるかわからないが、「いつか必ず来る」と言われる。
孤立が懸念される集落の対策、津波から逃れられる高さへの避難ルートの確認――。南海トラフ地震が起きた時に被害が予想される和歌山、三重両県の紀伊半島南部の沿岸部では、これまでも自治体職員や住民らによって「備え」の確認と更新が続けられてきた。(菊地洋行)
避難所用のシャワー
4月に和歌山県串本町に贈られた避難所用の水循環式シャワー。オフィス機器販売の大塚商会(東京)が企業版ふるさと納税の物納品として、災害対策本部用の大型タッチパネルモニターなどとともに寄付した。シャワーは能登半島地震でも使われたという。
いざ避難、そのときには
7月に三重県紀宝町井田地区で開かれた南海トラフ地震と津波に備えたワークショップ。避難ルートを確認した上で民生委員や自主防災会、消防団、学校、福祉事業所の職員らが、発災した時刻から時間軸に沿って何をすべきかを考え、地図や表に記していった。
ポータブル発電機
7月に林業機械の販売やリースをする「上道キカイ」の上道賢社長が、和歌山県新宮市に災害時に活用できる高性能ポータブル発電機3台を寄贈した。田岡実千年市長は「備蓄資機材の整備、補強を進める中、大変ありがたい」と話し、医療的ケアが必要な児童を受け入れる市子育て支援センターに配備するとした。
避難所はどう運営する?
三重県熊野市立有馬中学校で6月にあった避難所運営ワークショップ。地区の住民たちが役割を分担し、避難者の受け付けの仕方や、簡易トイレ、テント、ベッドなどの防災備品の設置方法などを確認した。熊野市では21カ所の指定避難所のうち10カ所でこうした訓練を実施。今後も訓練のペースを速めるという。
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