処理水 東日本大震災が起きた2011年、東京電力福島第1原子力発電所で炉心溶融(メルトダウン)事故が発生した。対策としてデブリ(溶融燃料)を冷却するため大量の水を使ったが、高濃度の放射性物質に汚染された。東電はこの水から、多核種除去設備(ALPS)などを使って放射性物質を取り除いた。これを原発の処理水と呼ぶ。

東電は原発敷地内に設置した1000基超のタンクで保管してきた。23年8月、廃炉に向け、処理水の海洋放出を開始した。放出時はさらに海水で薄め、国が定めた安全基準を大幅に下回る濃度にしている。

国際原子力機関(IAEA)は同処理水を「国際的な安全基準に合致し、人と環境に対する影響は無視できるレベル」と評価する。東電は24年3月末までに4回の海洋放出を実施した。廃炉完了のメドである51年までに、処理水の放出も完了させる予定。

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