非常に強い勢力で台風7号は関東に近づいています。一部の住宅が倒壊するような猛烈な風が吹く恐れもあります。民間の気象会社が停電のリスクが高まる地域を公表しています。
■八丈島で猛烈な雨と風
15日夜になり非常に強い勢力となった台風7号。八丈島では午前1時に風速25メートル以上の暴風域に入りました。
時間を追うごとに強くなる風。16日午前5時半ごろ、降った雨も風で飛ばされていき、視界も悪くなっています。そして海は白波が立っています。
千葉県の房総半島でも、強い風とともに波が激しく打ち付け、高い波しぶきがあがっている様子が分かります。港では台風に備え、多くの船があげられていました。
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■飛行機が欠航 八丈島から帰れず「困ってます」■飛行機が欠航 八丈島から帰れず「困ってます」
伊豆諸島の八丈島では15日、台風が接近する前に島から出ようとする人たちでフェリー乗り場が朝から大混雑となりました。 東京から来た男性「夜の便(飛行機)だったんですけど、なくなったんで、急きょ朝一で帰る予定です。船で」
八丈島から羽田に向かう空の便は1日3便。15日の最終便と16日の全便の欠航がすでに決まっていたため、空港では最後の1便に乗ろうとする人たちが集まっていました。
しかし、飛行機の運航状況を伝える掲示板には天候調査の文字。その直後、八丈島を出発する第2便の欠航が決まったというアナウンスがありました。 観光客「(Q.欠航のアナウンスがあったが?)困ってますけど。どうしようかなっていう…」
「(Q.乗るつもりでお土産を買っていた?)そうですね。どうやって帰るか考えてみます」
「とりあえず泊まっていたホテルにもう一回聞いて、泊まれるか」 八丈島から羽田への便は、来週の半ばまですべて満席で、いつ帰れるようになるか分からないといいます。 観光客
「空席待ちをウェブでして。それで待っているしかないですね。仕事が一応あるので『帰れません』って言うしかないですね」
■お盆直撃で駆け込みUターン
関東に接近する台風としては過去最強クラスの台風7号。Uターンラッシュの真っただ中での台風接近ということもあり、移動を前倒す人たちが続出しました。
東海道新幹線では16日の始発から東京−名古屋での終日計画運休を決めたため、15日のうちに帰ろうとする人が殺到しました。 福岡に帰省していた家族「子どもたちと帰省していたんですけど。ちょっと本当は土曜だったんですけど台風の影響があったので、きょう帰ってくることにしました」
「台風ひどっ!って思いました」 羽田空港でも、搭乗カウンターの前には多くの人で行列ができています。 沖縄に向かう家族
「(台風で)飛ばない可能性があるので、急きょ変更して」
「朝からもう出る直前までやってました。もう疲れました…」
空の便では日本航空、全日空などで、欠航が相次いでいます。
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■5年前に大きな被害を受けたホテル 台風に備えて対策■5年前に大きな被害を受けたホテル 台風に備えて対策
15日、千葉県市原市のゴルフ練習場でも対策が取られていました。
ジャンボゴルフクラブ 申崇寛支配人「あす台風が来るということなので、今ネットを下ろしています。破れるだけなら良いですけど。あまり風にあおられるとね。怖いですよね」 今回と似た勢力で関東に上陸した、2019年の台風15号。千葉市で最大瞬間風速57.5メートルを観測し、市原市ではゴルフ練習場の鉄柱が倒壊しました。
猛烈な風の影響で房総半島では、多くの家で屋根が飛ばされました。
さらに鉄塔や電柱が相次ぎ倒壊し、県内64万戸で停電が発生。復旧するまで20日かかった地域もありました。市原市にあるこちらのゴルフ練習場では、風が強い時にはネットを下ろすといいますが…。
申支配人「(Q.過去の事故を踏まえて?)そうですね。そこは意識していますね。周りにも少しですけど民家もありますので」 館山市にあるこちらのホテルでは、2019年の台風でロビーや客室が水浸しになるなど大きな被害を受け、完全復旧まで半年かかったといいます。 館山リゾートホテル 飯田貴支配人
「とにかく停電がすごかったので冷凍してる食材がとけちゃったり。停電が長かったんでガソリンスタンドとか行っても1台5リットルしか入れられなかったり」
「(Q.すごい行列でしたよね)行列がすごくて、どこ行ってもお店がやってなくて。半年近く正常な営業ができなかったという思いがあります」 ホテルでは、その時の教訓を生かし、停電に備えた備品を多く購入したといいます。 飯田支配人
「2019年の台風に匹敵する話を聞いてるので、困った時の発電機とかランタン類。あと、お客様が充電できなくなってしまうモバイルバッテリー結構購入したので、それをフル充電したり」 お盆を直撃した今回の台風。予約のキャンセルも数多く出ているといいます。 飯田支配人
「(Q.これみんなキャンセル?)これ全部そうなんです。70件くらいは来ていると思います」 5年前、多くの住宅が被害を受け、停電が長期化した鋸南町でも台風接近に備え、対策が取られていました。
鋸南町では、15日午後6時から2カ所の自主避難所が開設されました。もしも停電になった場合に備えて発電機も用意されています。
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■住民も停電の備え「発電機などを用意」■住民も停電の備え「発電機などを用意」
住民「電気止まっちゃったら何もできない」
「(Q.モバイルバッテリーは?)持っているので、それも今のうちから充電して」 さらに別の住宅では、発電機や発電機のための燃料などを用意したといいます。 住民
「トラックとか満タンにしておいて、最悪の場合そこから抜いて。準備だけは5年前からしています」 実は、この男性は5年前、停電が長引く中、自宅で発電機を24時間回し続け、近隣住民に向けて携帯電話を無料で充電していました。 住民(2019年9月)
「1日50人から60人、携帯の充電しています。あとWiFi飛ばして」
今回も停電に備え準備を進めているといいます。
住民「5年前の台風を最悪の場合は想定して準備だけは」
「(Q.準備はしっかりしている?)している。最低限、通信手段だけは」
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■国内唯一、停電を予測 台風7号では?■国内唯一、停電を予測 台風7号では?
世界中から集まる気象情報を元に、天気情報を発信する気象会社「ウェザーニューズ」。台風を解析する専門チームが、各国のおよそ20種類の数値モデルや独自データから台風予測を行っています。 ウェザーニューズ 予報センター丹羽祐久さん
「(Q.こちらではどのようなことを?)停電予測を発表している」
ウェザーニューズでは、2022年から国内で唯一、台風などに伴う「停電予測」を実施しています。
2019年に発生した台風15号では、千葉県で一時およそ64万軒など広い範囲で停電が発生しました。その時に停電した箇所を示したマップです。最大瞬間風速が25メートル以上のエリアに停電を示す赤いポイントが集中しているのが分かります。さらに…。 丹羽さん「特に赤いエリアは最大瞬間風速40メートルを超える場所になります。ここではほぼ停電しているということで、風が強ければ強いほど停電が起こりやすいことが分かりました。原因としては倒木であったり、物が飛んでくることで、電線が切れることで停電していることが考えられるので」
では、今回の台風7号ではどれくらいの停電が予測されているのでしょうか?
15日時点の予測では、16日午後2時の停電リスクとして茨城県の鹿嶋市や千葉県銚子市に警戒を呼び掛ける赤い表示が広がり、その他にも千葉県いすみ市、館山市、富津市。また羽田空港の周辺でも停電への警戒が必要という予測となっています。(15日時点の予想) 丹羽さん「関東地方では沿岸部で朝から夜まで風が強い状態が続きます。停電への備えが必要になります」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年8月16日放送分より)
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