台風7号が16日、関東に最接近するとみられるのを前に、お盆休みの観光客で混雑する場所がありました。

15日午前11時の舞浜駅前は、たくさんの人々であふれていました。
千葉・浦安市の東京ディズニーランドには、台風接近を前に“駆け込みディズニー”をする人が相次いでいたのです。

富山から来た観光客は、「本当は明日行く予定だったけど、明日は天気が悪くて、1日ずらして今日にしました。『どうしようか…ディズニーランド行けるかな?』と。でも行きたいと思って、日をずらして、絶対に楽しんでやろうと思った」と話していました。

ディズニーシーの人気アトラクションには、長い行列ができていました。
台風が荒天をもたらす前に、この夏の一番の思い出を作ろうと、パーク内はどこも人でごった返していました。

埼玉からの観光客によると、取材時に一番混んでいるアトラクションは135分待ちで「めっちゃ(人が)多いです。めちゃくちゃ混んでいます」と話していました。

東京ディズニーランドからほど近いZOZOマリンスタジアムなどでは、17日から2日間、日本最大級の音楽フェスティバル『サマーソニック』が開催される予定です。

16日は前夜祭ですが、JR京葉線に運休や遅れが発生する恐れもあり、会場に到達できない人が出るなど、大きな混乱が懸念されています。

新潟から参加予定の人は、「もう不安な気持ちばかり。何カ月も前から楽しみでした。今のところ何も変更せずに行きたいと思っていて、変更したらもっとお金がかかる…」と、不安を口にしました。

一方、千葉・鴨川市にある鴨川シーワールドは16日、来場者の安全を考慮して臨時休館にすることが決まりました。

台風の影響は、夏の風物詩にも…。

夏の夜空を花火と共に彩る、神奈川・箱根町の『箱根強羅温泉大文字焼』。
毎年約3万人の観光客らが訪れる人気のお祭りは、16日に開催を予定していましたが、18日に延期となりました。

この突然の延期で、観光協会には問い合わせの電話が殺到。
新しいチラシに貼り替える作業に追われるなど、スタッフが寝る間を惜しんで、本番に向けた準備を進めていました。

箱根強羅観光協会・田村洋一会長は「風にあおられるのが心配だから(看板を)外して、台風が過ぎてからまた張ろうと…」と話し、駅前に設置していた看板を、台風接近に備えて急いで取り外したといいます。

延期の影響は、こんなところにも…。

箱根の夜に浮かび上がる“大文字”。
山にたいまつの火をともすには80人の人手が必要ですが、延期の影響で、半分の40人ほどしか集まりませんでした。

そのため、通常1人1本のたいまつを、特別に3本持って対応に当たるといいます。

さらに、50店舗近くに及ぶ露天商を手配し直し、会場も新たな場所を用意する必要に迫られました。

「バタバタで、露天商の手配で胃が痛い」と話す箱根強羅観光協会のスタッフ。
田村会長は「かなりの痛手。気象データを見ながら淡々と、いろいろな感情を捨てて(延期の)判断をしようというのが今回の経緯)」と話し、この延期で数十万円以上の費用が追加でかかる予定だということです。

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