人口減少問題に関心をもってもらおうと、有識者などで構成する「人口戦略会議」が将来的に消滅する可能性がある自治体を公表しました。

「消滅可能性」があるとされた自治体は全国の4割に及び、県内では9つの市町村が該当しています。試算によりますと、全国およそ1800の自治体のうち、2020年から2050年にかけて出産を担う20代から30代の女性が半分以上減少するのは、全体のおよそ4割にあたる744の自治体に及びました。

こうした自治体は、将来、急激に人口が減少し、消滅する可能性があるということです。人口戦略会議は「地方からの人口流出などの『社会減』対策も必要だが、日本全体の人口減少の基調を改善するためには低下し続けている出生率を回復させることが必要」と警告しています。

県内で消滅の可能性がある自治体となったのは、串間市、えびの市、高原町、国富町、諸塚村、椎葉村、美郷町、高千穂町、日之影町のあわせて9つの市町村です。

20代と30代の女性の減少率が最も高かったのは諸塚村で72.6%。2050年に人口は676人、20代と30代の女性は23人になると推測されています。また、日之影町は減少率が55.9%で、前回10年前の調査に比べて18%改善しました。割合だけで見ると、県内の市町村で最も改善しています。

(日之影町 佐藤貢町長)
「昔は日之影町から延岡市まで1時間かかっていたが、今30分程度で行けるようになったという事で、通勤圏になってきた。日之影で暮らして延岡で働く方々も多くなってきた。」

県町村会の会長も務める佐藤町長は、今後求められる対応についてこう話します。

(日之影町 佐藤貢町長)
「それぞれの小さい町村、独自ではなかなか難しいと思う。国、県、市町村が一緒の方向を向いてそれぞれの町村に適した取り組みが必要」

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