南海トラフ地震の臨時情報が出るなか、徳島の夏を彩る風物詩・阿波おどりが開催されています。去年出演を認められなかった老舗の踊り手グループは今年どうなったのでしょうか。
■観光客の行動にも変化が
楽器の生演奏に先導され入場してきたのは、華麗に舞う踊り手たちです。「連」と呼ばれる阿波おどりのグループが集結し、一日の最後に行われる「総おどり」は、見るものの心をとりこにします。 そんな“日本三大盆踊り”の一つ、徳島県の阿波おどり。今年は、8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報」の影響で、地震や津波を警戒しながらの開催となりました。沿岸部に位置する徳島市内に会場があることから、観光客の行動にも変化が起きていました。
栃木県からの観光客「地震があるので2日早めて帰ろうかなと思ってます。自分たち車で来ているので、海の方では泊まらないで、山の方の津波とか来ない道の駅に泊まって小さな対策はしています」
会場では他にも変化がありました。
去年初めて導入され、後に建築基準法に違反していると判明した1人20万円の「プレミアム桟敷席」は今年、開設されませんでした。次のページは
■「予想外」桟敷席には空席…■「予想外」桟敷席には空席…
復活したものもありました。新型コロナで中止となった期間と、開設が見送られた去年を経て、5年ぶりに有料の桟敷席がある繁華街の「紺屋町演舞場」が帰ってきました。それを指揮したのが今年4月、「阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」実行委員長に就任した庄野浩司さん(50)です。
今年は学生ボランティアらとともに、ごみ拾いや掃除を行い実現に向けた活動を展開。協賛金やふるさと納税が多く集まったことも後押しして、開設にまでたどり着けたといいます。迎えた阿波おどり当日…。
庄野さん「感動だ。すごいや。やっぱ徳島最高だ」 ところが、桟敷席を見るとまだ空席も…。周辺の飲食店は来年に期待します。 紺屋町よしこの
石山照太店主
「ここまで人が紺屋町演舞場の周りに少ないというのは、ちょっと予想外でした。来年は知名度が上がって、いつもの阿波踊りに、そして紺屋町演舞場に戻るということを期待しています」
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■昨年は「選考漏れ」に■昨年は「選考漏れ」に
そんな踊り手たちの憧れの場所で、並々ならぬ思いを抱いている連がありました。
殿様や姫、忍者などに扮したユニークな踊りで人気の1977年結成の「本家大名連」。去年、番組はこの老舗の踊り手グループを取材していました。その訳は…。 「本家大名連」連長清水理さん
「選考があって、159連あったうちの4連だけ選考漏れをした。もう怒りというよりは、あきれたというか。『あきれた』という言葉が、9割ですね」 長年、参加し続けてきた有料演舞場への出演が認められず、会場から外れた薄暗い公園で踊る事態となっていました。
認められなかった理由として、去年、実行委員会はこのように説明しました。
実行委員会「踊り手グループで作る2つの主要団体に所属していることなどの申し込み条件を満たしていないことや、日程が調整できないことなどを考慮し、今回は出演を認めませんでした」
確かに「本家大名連」はどちらの団体にも所属していませんでしたが、過去何年も出演してきました。にもかかわらず突然、参加は認められないと伝えられたのです。
連長の清水さんは、「過去に座席の有料化について、疑問を呈したことも影響しているのではないか」と話していました。今年も6月になっても出演に関する連絡はありませんでした。
清水さん「連員自体も長く踊っているというプライドがあったので、一日も早く知りたい」
そんななか、本番1カ月前、突然の知らせが入りました。
清水さん「若い踊り子たちが(有料演舞場に)入りたいという希望があったので、それがかなったのは、一日だけでもよかったかなと思う」 今年は一転、有料演舞場に初日の1回だけ出演することが決まりました。踊る舞台は、今年復活を遂げた「紺屋町演舞場」です。 姫役 大石菜心美さん(15)
「たくさんの人に笑顔を届けられるように頑張ります」 清水さん
「(Q.姫役の大石さんに何かアドバイスある?)もうベテランですよ。小さいころからやってますから。お客さんを乗せる雰囲気抜群です」
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■5年ぶり、大勢の観客の前での踊り■5年ぶり、大勢の観客の前での踊り
なぜ出演が認められたのでしょうか?
清水さん「(実行委員会長から)本家大名連は素晴らしい踊りをやっているとお褒めいただいたので」
清水さんによりますと、今年、実行委員会のメンバーが変わったことが大きな要因だったと言います。
コロナ禍を挟んで5年ぶりとなった大勢の観客の前での踊り。大名行列のパフォーンスで演舞場を盛り上げました。 大石さん「去年とは違ってもっとたくさんの人がいて楽しかったです」 清水さん
「随分と久しぶりなので、お客さんの笑顔を見ながら踊ったのでよかったなと」
(「グッド!モーニング」2024年8月14日放送分より)
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