日向灘を震源とする8日の地震で強い揺れに見舞われた九州南部の沿岸部では、南海トラフ地震に備え普段から避難訓練をしていた。幼児や入院患者ら「災害弱者」が利用する施設では避難方法を改善するなどしており、備えの大切さを実感したとの声が出ている。
震度5強の揺れを観測した鹿児島県大崎町にある菱田保育園は毎月、南海トラフ地震や火災を想定した避難訓練を実施。7月下旬の訓練後の会議で、約2.5キロ内陸側に園児たちを移動させる際に使う車5台を誰が運転するかまで決めた。
今回の地震では津波注意報が出た直後、園児約20人を分乗させ、道路が混雑する前に全員移動させることができた。園の事務局長岩切貴恵さん(41)は「改善策を含めできることをすぐ実行する姿勢が大事だと改めて思った」と振り返る。
震度6弱を観測した宮崎県日南市の愛泉会日南病院(184床)では、担架を使うなどして1階の患者42人を2階に移した。身動きが取れなかったり意思疎通が難しかったりする患者もいる中、避難は約10分で完了した。
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