台風5号(マリア)は、12日ごろに本州に上陸しそうだ。東北地方を横断するような進路が見込まれ、災害を引き起こすような大雨や暴風、高波となる恐れがある。気象庁は「強い危機感を持っている」として厳重な警戒を呼びかけている。
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10日午後3時時点の観測によると、台風は日本の東を暴風雨を伴って北上中。今後西寄りに進路を変え、東北地方に上陸する見込み。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は25メートル、最大瞬間風速は35メートル。台風の進むスピードが時速20キロと遅いため、影響が長く続く可能性がある。
気象庁によると、12日正午までの24時間に予想される雨量が東北地方の太平洋側で300ミリ、日本海側で150ミリ。進路の周辺でも台風の影響で雨が強まり、北陸で120ミリ、北海道と関東甲信で各50ミリと予想されている。特に岩手県では雨量が多くなる可能性が高く、11~12日の総雨量が400ミリと見込まれている。
気象庁と国土交通省は10日午後に台風の見通しについて会見を開き、同庁予報課の立原秀一・主任予報官は「東北でこれだけの雨量は珍しく、各地で観測史上最大を更新するような大雨になる可能性が十分考えられる」と話した。
今回の台風は、2016年に岩手県を中心に27人の死者行方不明者が出た台風10号と似た雨量や進路が予想されていて、当時を上回るような大雨になる恐れもあるという。雨が強まる前に、ハザードマップで避難所を確認したり、停電や断水への備えを準備したりしてほしいとしている。
また、今年7月に大雨の被害に見舞われた山形県と秋田県では決壊した堤防の応急的な復旧作業が進められているが、通常と比べて強度が低い状態になっているといい、周辺住民には河川の氾濫(はんらん)によりいっそうの警戒を求めている。(大山稜)
ハザードマップを確認したいとき
国土交通省や国土地理院のハザードマップポータルサイト(https://disaportal.gsi.go.jp/)
最新の台風の進路予想を知りたいとき
気象庁の「台風情報」(https://www.jma.go.jp/bosai/#area_type=japan&area_code=010000&pattern=rain_snow)
災害危険度の高まりを知りたいとき
気象庁の「キキクル(危険度分布)」(https://www.jma.go.jp/bosai/risk/#lat:36.844461/lon:140.493164/zoom:5/colordepth:normal/elements:inund)
河川の状況を知りたいとき
国土交通省の「川の防災情報」(https://www.river.go.jp/index)
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